【観劇ログ】SPIRAL MOON the 32nd session「銀幕心中」
ども。観劇月間の初っぱなは,下北沢です。
下北沢は本務先から近いのにもかかわらず,なかなか来るチャンスがなく,たぶんこの3年間でも今日で6回目なくらいです。
さて,今日観劇に伺ったのはSPIRAL MOONさんの「銀幕心中」です。
このお芝居との出会いは結構奇跡的な出会いでして,前に満月動物園さんの3月公演を観に大阪遠征をしていたとき,観劇三昧日本橋店に立ち寄ったところ,ちょうど打ち合わせをしていたSPIRAL MOONの皆さんと一緒になって, 今回の公演のことを教えて頂いたというのがそもそものきっかけです*1。
さて,きっかけはさておき,そんな奇跡的な出会いがあるのならば,観に行かなければもったいないと考えていました。 ちょうど,SP水曜劇場さんで前作の「デッサン」を上演していたこともあって,自分の中で気分を盛り上げながら, 本日を迎えることが出来ました。
珍しく開場時間に遅刻してしまい,開演15分前に到着したところ,客席はほぼ一杯。開演前には私の見える範囲で ほぼ満席ということもあって,初日なのに,さすがに歴史があるプロジェクトだから期待されているのだなあと, 勝手な感想を思い浮かべていました。
以下,corichの紹介から,ストーリーを引用します。
舞台は日本映画黄金時代を迎えた昭和30年代の古都・鎌倉。 謎の急死を遂げた天才映画監督の通夜の席で巻き起こる抱腹絶倒の大騒動! 端正な作品作りで定評のあるSPIRAL MOONが圧倒的爆発力で挑む渾身の一作、怒涛のスラップスティックコメディが、5年ぶりの再演決定!
ということで,舞台はお通夜の席です。開演前には既に舞台上に通夜のセットが組まれています。というわけでスマホの電源をオフにします。
(上演中…)
見終わった後に感じたのは,何とも言えない爽やかさでした。30分後にもう一回観ても同じように楽しめるだろう自信があるくらい, それくらいにスッキリしていました。怒濤のストーリーで,たぶんあれ以上にコッテリも 出来るのだと思うのですが,コッテリしすぎず,それでいて味わいどころがたっぷりある感じで,ちょうどフライヤーセットの中に 入っていた日本酒の広告と照らし合わせて,上質な日本酒を味わった感じというのが一番近い感覚でしょうか *2。
もちろん,面白さは評判通りで,圧倒的爆発力という言葉はまさに適切かなと思いました*3。
確かに情報量はわずか100分の中で,たっぷり提示されているのです。でもそれがただ単に大量に提示されて終わりという わけではなく,終演後にはスッキリと昇華できている感じです。そして,提示された材料は不自然さを感じずに,隣の家の言い争いを たまたま目撃しているかのようなリアルさをもって*4迫ってくる感じがありました。
でも,昭和30年代ならあれくらいの言い争いは普通にあったかもしれませんね(ぇ。
それぞれのキャラクターは一癖も二癖もあるのですが,悪い人間は誰一人いない感じでした。 また一見するとむちゃくちゃに見えるキャラクターの行動も,たぶんきちんと組み立てられた上に成立している世界なのかなと思います。 そう言ったところも安心して楽しめた要因かもしれません。
不思議な出会いで始まった今回の観劇ですが,次回もチャンスがあれば是非拝見したいと思いました。 こういうことがあるから,観劇ってやっぱり面白いですね。6月14日(日)まで下北沢「劇」小劇場で上演中です。お勧めです。
そういえば,フライヤーセットはこのオリジナルミニトートバッグに入っていました。なんと無料で配布されていて,こんな所にも細やかな配慮がなされているんだなあと嬉しくなりましたです。
追伸:あ,関西小劇場ではもはやおなじみとなっている例のチョークアート観てくるの忘れました…。これからご覧になる方はぜひぜひこちらもご覧くださいませ。