リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】中野劇団第20回公演『10分間2019~タイムリープが止まらない~』

どうも。イマイです。

観劇強化週間のまっただ中,一つの目玉にしていた「中野劇団」をようやく観に来ることができました。関西小劇場好きなTwitterのフォロワーさんからその評判を何度も聞いていて,良いぞ良いぞというのを感じていたのですが,ちょうど良く遠征できるタイミングもなく,ずっと縁がないままでした。

今回何と東京遠征をして下さるとのことで,ようやく観に行くことが叶った次第です。ということで,というわけで東京・こまばアゴラ劇場までやって参りました。

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 1.開演前

北海道では39.5度という5月の観測史上最高気温を記憶した5月26日,東京の駒場東大前も大概な暑さに見舞われておりました。こまばアゴラ劇場までの道のりはフリーマーケットが開催されており,お祭り気分に盛り上がっていて華やかな雰囲気に包まれています。

そんな中,こまばアゴラ劇場はそんな喧噪の中でも静かな雰囲気を醸し出していて,15時にロビー開場で中に入ったときは確かに暑い気温ですが,静かに風が吹き込んできて,心地よい空間となっていました(いや目の前で扇風機が動いていたんですけれども)。

閑話休題

本作品は,事前に全ステージの売り切れが告知されるほどの人気作で,30分前の開場で中に入った後,時間を追う度に,訪れるお客さんが途切れず,客席が1つまた1つと目に付く空席が埋まっていくのを目の当たりにしました。

舞台の上には,居酒屋の店内が再現されています。「ミミガ,ミミガァー」,「全米が巻いた!ハルマキドン」などいちいちツッコミを入れたくなるようなメニューが掲示してあります。思わず全てのメニューを目で追ってしまいました。こういう細かいボケは大好物です。

16時の開演時間には主宰で演出・脚本家の中野守さんが前説に登場。2時間と予告していたけれどもなんやかんやで2時間10分くらいになってしまいましたという下りは思わずクスッと笑ってしまいました。

というわけでネタバレ防止の改行連打を致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.あらすじ

公式ウェブサイトによると,あらすじは下記の通りです。

同じ10分間をひたすら繰り返す怒涛のシチュエーションコメディ

とある同窓会、同じ10分間の繰り返しから抜け出せなくなった聖子は、
この不条理なタイムリープから必死に脱出しようと試みるが…。
つのる苛立ち。つづく無理解。
なぜかエスカレートするムダ話…。

たった10分で何ができる!?

2006年に初演、2010年、2016年とブラッシュアップした劇団代表作、4度目の上演は10年ぶりの大阪・東京2都市公演です。

( http://nakanogekidan.com/20th より引用)

このあらすじの通り,わずか10分間のシーンを繰り返しながら,脱出を探ろうとするのがこの作品の面白さです。細かく書こうとしたら時間が経ってしまったので,2016年のバージョンのお試し映像を貼ってお茶を濁しておきます。

v2.kan-geki.com

 

3.感想

  • 久しぶりに,「抱腹絶倒」という言葉が適切な場面に出会いました。舞台上では10分間のタイムリープが繰り返されていますが,そのタイムリープの度にここまで笑うとは予想だにしていませんでした。
  • 加えて,ストーリーもネタバレ防止して臨んで良かったと思うほど,予想を次々と裏切る展開で,2時間があっという間に過ぎていきました。
  • 関西小劇場が大好きになってから,何度も舞台を拝見してきた延命聡子さんの,多彩かつ強弱も自由自在な演技をこんなに拝見できて,私としてはとてもとても嬉しかったです(大げさではなく,東京小劇場よりも関西小劇場の方がなじみがあるので,私に取ってはトップスターさんなのです)。
  • T-worksで拝見した丹下真寿美さんも,さすがの名演技で,あれほどセリフを発せず,眼の動きだけで笑いをとり,雰囲気を変える方は凄いなあと思いました。途中の空気が抜けていく演技はとても新鮮で,もちろん腹筋が痛くなるほど吹き出しておりました。
  • 細かく計算されていると書きましたが,セリフがまさにそうで,台本を購入された方は確認していただければと思います。例えば,春親のエレベーターの言い間違えが,きちんと台本に最初から書き込まれているところは終演後に発見して,なるほどと思わず声を出してしまったほどでした。あれを最初うっかり噛んだように見せて,きちんと同じようにリピートしていく河口仁さんは流石です。
  • 演出・脚本の中野さんの前説もとても味があって,ボールペンカチカチの下りはとても記憶に残っています。自分もどこかで使いたいと思います(ぇ

これ以上お気に入りの劇団を増やしてどうするんだと自分でも思いますが,また一つお気に入りの劇団さんが増えました。もう関西が自分家の前に来て欲しいレベルになってきました。嬉しい悲鳴であります。

nakanogekidan.com