【観劇ログ】朝劇西新宿 vol.2 「恋の遠心力」
どうも。イマイです。
最近お馴染みの劇団さんに観劇を限っている傾向がありました。それはそれで楽しい時間ではあるのですが,初めての所に飛び込んでわくわくするということもないなあと思っていました。
今回ある方から,「朝劇」ってご存じですか?との連絡を頂きました。自分は出演していないけれど,面白いとのことなので是非とのこと。調べると,早くても11時頃から始まる小劇場の世界で,なんと土曜日の朝9時から開演とのこと。
そんなステキな試みなら観に行くしかないとのことで,朝も早くから西新宿のビアホールGLASS DANCE新宿店にやってきました。
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1.開演前
朝劇は小劇場を見始めた頃から,なんとなく評判は伺っていたのですが,始まりは2013年,そして西新宿でのプロジェクトは2014年9月から開始との長い歴史を持ったプロジェクトだそうです。
会場に到着すると,普段はビアホール(ベルギービールが美味しいお店だとのこと)で使われている場所に,続々とお客さんが到着しています。※注:朝の8時半です。
客席となっているビアホールの4人席テーブルに腰掛けると,ドリンクメニューが置かれており,お菓子が運ばれてきました。ステージによっては本格的なモーニングメニューが提供されるものもあるそうですが,時間帯がいつも演劇を観ている時間帯でないこともあって,なんだか新鮮な気持ちでわくわくしてきました。
ビアホールのスタッフの方にドリンクを運んできてもらって…と思ったのですが,よくよく観ているとどうやら出演者の皆様のご様子。割とテンション高めのホール業務に時折笑いが起きながら,ビアホール入り口のシャッターが閉まり,いよいよ物語が始まります。
ネタバレ防止をしたらよいのかを一瞬迷いましたが,このブログのお約束なので,ひとまず改行連打をかましておきます。
2.あらすじ
公式ウェブサイトによると物語のあらすじは下記の通りです。
この瀟洒なカフェは、巨大な“宇宙エレベーター”の中にある。
現在、地表に向かって下降中だ。五ヶ月間、宇宙空間で過ごした日々も今日で終わり。
大勢の乗客たちが、お別れパーティに興じている。だが、若き研究者、伊吹だけは地球に帰りたくなかった。
彼は恋をしてしまったのだ、エレベーターのクルーである、アンドロイドに…!研究者、アンドロイド、医者、芸術家、パイロットたちが、叶わぬ恋を巡って大騒動。
“恋の遠心力”を打ち破ることはできるのか!?
物語が始まると,バーカウンターには女性が一人。その女性に話しかける若い男性の伊吹。地上にまもなく到着するエレベーターのカフェで,まもなく到着することを惜しむ伊吹が突如叫び出します。お前はあのアンドロイドかと。5ヶ月にも及ぶ宇宙での研究活動で一緒に時間を過ごしてきたモチベーターのアンドロイドとは,昨日辛い別れの時間を過ごしたばかりなのに,またここで会えるとは。
伊吹はカフェにいたパイロットに,アンドロイドを譲ってもらえないかと嘆願します。800万ドルという価格を提示されても,まだ引き下がりません。コントのような押し問答が続く中,カフェにはもう一組の男女が入っていきます。痴話喧嘩の真っ最中の二人は,宇宙空間でレーザー光線でのパフォーマンスを成し遂げたペア。演出家である男性に,妻と離婚して自分と一緒になれと迫る女性。
二つの恋愛を巡るドタバタにさらに,男性の医者が一人乱入。アンドロイドに命令して,地上にいる離婚した妻のもとにいる娘のモードを呼び出したので,もう大騒ぎ。そんな中,カップルの女性がレーザー光線を使って,エレベーターのコイルを焼き切って,エレベーターを停止させるという暴挙に出て…。
地上までこのエレベーターが到着するかどうかは,ぜひ朝劇の場で目撃して頂ければ幸いです。
3.感想
- 今回,朝劇は初めてだったのですが,役者さん達の多彩な会話で進む宇宙エレベーターの物語。表情、声色で世界に引き込まれて、気がついたらちょっとホロリと心動く自分がいました。
- 朝一番で,ちょっと眠気も入っていたのですが,役者さん達のやりとりが軽快で,45分があっという間でした。物語で地上に到着する時間もちょうど現実の世界とリンクしていて,終演挨拶も「いってらっしゃい!」という言葉だったのも,とても新鮮でした。
- アンドロイド役を演じていた関谷真由さんの声色が本当に多彩で,モードによって切り替わる機械の設定も相まって,楽しくてしょうがなかったです。
- それ以外のキャストさんも,カフェ公演ということを忘れるくらい,とても真摯かつステキなパフォーマンスを魅せてくださったので,45分でなくそのまま120分の作品をこの方達で観て見たいと思うほど充実した時間でした。
- 物語も最後,伊吹とアンドロイドの最後の時間が,他の組み合わせのカップルとは比べものにならないくらいの結ばれない関係で,メモリーを眺める伊吹と,アンドロイドのカタチはあれども,心がなくなってしまうという下りは,心が熱くなる瞬間を感じました。
- 今まで出会えなかったのが悔しいくらいですが,幸いにもロングラン公演を続けている作品とのことなので,またどこかで時間を作って訪れることができればなと思っています。だって,9時の公演でも10時には新宿スタートで次の予定をこなせるわけですし,何だったら朝7時半だったら,8時半スタートで仕事にも行けてしまうくらいの設定なのです。
というわけで,思わぬカタチで新しい作品にまた出会うことが出来ました。お誘い頂いた方に感謝感謝です。