【観劇ログ】劇団「劇団」gekigeki 3rd「大泥棒 - O dorobow -」
どうも。イマイです。
暑さが続いていますが,いかがお過ごしでしょうか。8月はご贔屓の劇団が東京に来ることもあって,大阪遠征なしかなと思っていたら,そんなことはありませんでした。絶対面白いはずだという劇が大阪のHEPホールで開催されるのでした。ということで,今月も懲りずに大阪入りであります。
本日は,劇団「劇団」さん(通称:ゲキゲキ)のgekigeki 3rd「大泥棒 - O dorobow -」を観に,HEPホールまでやってきました。9階のジョイポリスは改装中ですが,HEPホールはもちろん営業中。トイレも新しくなって良い感じであります。
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1.はじめに
受付開始とともに,劇場へ。e+で取っておいたチケットを入り口でもぎってもらい,物販のラインナップを眺めてみます。
【大泥棒グッズ情報】
— ゲキゲキstaff (@gekiGeki_staff) August 5, 2018
大泥棒パンフレット、好評発売中!!
オフショットやキャスト全員のインタビュー、脚本小西透太による設定覚え書きなどなど!盛りだくさんの内容です(^^)!!
(もちろん本物はフルカラーです!笑)
物販席には物販妖精もいますよ。笑#大泥棒 pic.twitter.com/fRDEpwAhAW
物販妖精の栗田ゆうきさんが開演前の購入を強くオススメしておりました。私は早速パンフレットを購入して,キャストさんのインタビューなどに目を通しておりました。
開場時間になって客席に入ると,舞台上には大きな二段のセットが組まれていました。
- 舞台正面は二段舞台の高い部分を使って門のようになっています。
- 門扉は板ではなく骨組みが組み合わされたもの。
- 上手下手の両方から前にアーチが張り出しており,上部の紋様は四角を多く取り入れています。
- 舞台上手に三日月をモチーフにした大きなスケルトンのオブジェ、
- 下手側にはスチールのポールが上段から床面に向けて設置されている。
- 舞台上手から上段への階段が九段。最前列左右には灯体が四つずつ。
割と建て込みが多くなってはいますが,板の面が少なくし骨組みを中心に作られているせいか,それほど圧迫感はない印象でした。
では,ネタバレ防止の改行連打を致します。
2.あらすじ
劇団特設サイトによると,あらすじは下記の通りです。
陽気で陽気なアルフとその一味は、
世界をまたにかける盗賊団。
作戦の成功率は100%ー。
何故なら彼らには、
未来を予知する能力を持つ仲間・ウラがいたからだ。強固なセキュリティ、警察の包囲網を容易く潜り抜け、
今宵もまた新たなお宝を頂戴するため作戦を進行させる一味。
全ては計画通りだと思っていた。
しかし辿り着いたお宝は、既に何者かによってすり替えられた偽物だった。変わるはずのなかった未来が盗まれたー。
それは今世間を最も騒がせる大泥棒、通称『O(オー)』による策略!?
神出鬼没、正体不明の謎の大泥棒『O(オー)』。失われた誇りを取り戻すため、
『O(オー)』の次なる狙いを探り始めるアルフ達だったが、それはやがてー、
近未来国家グランドコートと
そこに隠された陰謀の渦へ、彼らを巻き込んでいく事となる。
エンタメ集団ゲキゲキの完全新作は、
笑って泣ける、アクションあり、ダンスあり、
想像できない結末までノンストップで駆け抜ける、
SFクライムストーリー!未来を盗め!新時代 泥棒エンターテイメント!
開演して明転すると,そこは賑やかな違法カジノのシーン,キャストがほぼ勢揃いする形でパーティーのシーンを表現しています。そこへやってきたのは国際警察のケイブ,ブカ,オクナデの3名。今夜,このカジノの金庫に収められた大量の現金を盗むという犯行予告を受けて,国際警察が警備にあたっていたのです。
ブカから,警察官の配備状況について報告を受けるケイブ,AルートからDルートまで警察官がそれぞれ20名,そして場内には200名の警官を配備しているとの報告が行われます。「少し場内の警官が多すぎるのでは?」とケイブは訝しがりますが,異常なしとして報告は終わります。
ケイブがカジノのオーナーと会話していたその時,物陰から先ほど報告を行ったばかりのブカがパンツ一丁で登場,何者かに衣服を盗まれてしまったとのこと。そして警官の配備状況は違う報告が行われており,Dルートには警官が全く置かれていなかったとの報告が。
ケイブが早速緊急配備をしようとした野もつかの間,場内には既に盗賊団アルフ一味が侵入していました。アルフ,ウラ,シータ,ムクチ,パリピ,ベルバラ,ニーヨルの7名が上段に登場して,口上を行います。
国際警察がショットガンやら警察官やらを投入して,アルフを捕まえようとしますが,トマトをかじったウラが未来を見通して,全て回避していきます。今回も無事にお宝ゲットかと思った矢先,お宝があるはずの金庫には何もありませんでした。そして,その場に置かれていたのは,O(オー)という謎の大泥棒の犯行予告でした。
国際警察に危うく捕まりかけたラルフ一味は,何とか逃げ延びます。一味はいったん仲間割れし,ラルフとウラとシータだけになります。しばらくのやり取りのあと,謎の大泥棒Oを懲らしめようと,どんな国とも国交を断絶し,不死の国とも呼ばれる近未来国家グランドコートへと,3人は足を踏み入れていきます。
盗まれた未来は取り返せるのか。その続きはぜひ劇場で目撃して下さい。
3.感想
- 暗転が複数回使われているのですが,物語の繋がりやテンポは途切れることなく,全体的に2時間が割とあっという間に過ぎていった印象でした。
- 見所はそれこそ盛りだくさんです。とにかくワクワクするシーンが目白押しです。為房さんが今回の殺陣指導をされているのですが,とにかく全員の手がかなり高速で,テンポが良く無駄がなく愉快になってくるほど,楽しいシーンが続いていきます。
- 総勢28名のキャストが,2段組みの舞台を隅から隅まで駆けずり回っていて,立体的で華やかな舞台が展開されていました。
- とにかく一人一人のキャラクターが特徴そのものを存在意義にするのではなく,どんなに奇抜なキャラクターであっても,ちゃんと一人の人格として動いているのが,とても好きです。存在自体が飛び道具に見えるベルバラでさえ,こういう人がいるかもしれないという描写の細かさがあったように感じます。あと,ウラが健気で可愛くて,中盤の未来について語るシーンでは思わず涙腺が緩む純粋さでした。
- 藤原さんの出番が少ないとか,アーゴイルが何作連続で登場するんだなどのメタネタは含まれているものの,これがはじめてのゲキゲキさんでも楽しめるだろうなと思えるほど,きちんとギャグが周到に用意されています。何度も吹き出しましたが,決してそれは物語のリズムを崩すものではなく,重くなりがちなストーリーを受けとめやすくしてくれていたように思います。
- それ以外に,とにかく座組全体がエネルギーがもの凄く,HEPホールの広い舞台を所狭しと動き回っていて,観ているだけで元気が出てくる作品です。
- ラストのシーンに主人公が薬を飲んでタイムリープし,未来を微妙に書き換えていく様子は,メインストーリーとかはかなり違うのですが,チュンソフトの「善人シボウデス」というアドベンチャーゲームを思い出しました。何が重なったかはゲームの方のネタバレになるので触れませんが,このゲームのクライマックスからTRUE ENDは,この主人公たちの行動に重なるシーンが結構でてくるので,もし未プレイの方がいらっしゃったらぜひプレイしてみてください。
- いらないかな…と思っていた全てのキャストのブロマイドを,終演後に,コンプリート買いするくらい,全てのキャラクターが個性的で,それでいて愛おしかったです。もちろん極悪な悪人もいるのですが,どこかツッコミポイントを残している憎めない役*1で,もし平和な世界だったらと言うifストーリーも作れる魅力的なキャラクターとキャストさん達でした。
観る前は色々モヤモヤした気持ちを抱えていて,面白い作品であっても心から楽しめるか心配だなとか考えていたのですが,ゲキゲキさんにはそれは無用の心配でした。キッチリ見せるところは見せて,わかりやすく笑えるところは笑って,そして物語の薦め方でもまた楽しませてくれる,2回観る予定を立てておけば良かったなとちょっと悔しくなったほどでした。
こういうifツイートが公式でできるくらい魅力的な世界でした。今度はDVDで観ることになりそうですが,楽しみにしておきたいと思います。遠征して観に行って良かったと心から思います。
(1回しか見ていないのでキャストさん紹介は省略しますが,どの方もステキな方ばかりでした)
大泥棒がもしも平和な世界だったらなシリーズ
— ゲキゲキstaff (@gekiGeki_staff) August 5, 2018
ムクチ×トニトリス
デア×ニーヨル×アーリーン
ウラ×ライラ
国王×ネイト×マーラ
大泥棒のキャラクターたちが、現実世界でただ仲良く暮らしてたら。
そんな想像を膨らませるのも、楽しみ方の一つです(^^) pic.twitter.com/IeMFjl2Ree
*1:だって一番の極悪人の国王ですら「久っしぶりー♪」というノリで入場してくるんですよ。