【観劇ログ】劇団シアターザロケッツプロデュース公演vol.3「星降る学校」
どうも。イマイです。
ここ6日間で5ステージの舞台を観るという(しかも2日間観てない日があるのに)超ハードスケジュールなのですが,本人はムチャクチャ楽しいので特に問題はない模様です。
さて,本日は東京,中野にありますテアトルBONBONまでやってきました。T-WORKSさんで「源八橋西詰」を観に来て以来,今年2回目の観劇となります。出演者の堀木さなさんにお誘い頂いて,劇団シアターザロケッツプロデュース公演vol.3「星降る学校」を観に来ました。
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1.はじめに
会場に到着すると既に受付が開始されていました。名前を言って当日精算の手続きを取ると,何と座席指定制とのこと。最近,自由席システムが多くて,良席を取ろうとしていち早く劇場へ向かわないとと焦っていたことが多かったので,こういうシステムは大変ありがたいです。物販も開場と同時に開始,フライヤーと同じデザインの台本が売っていたので,早速買い求めました。
階段で劇場の2階に上がると,入り口でフライヤーセットをスタッフの方から受け取るようになっています。客席にあらかじめ置いてしまうパターンもありますが,こうやって渡して頂いた方が座るときに余裕ができるので,とても嬉しい心遣いです。
舞台上に目を向けると,学校の屋上を思わせるセットが広がっていました。
コンクリートの床を思わせる柄のカーペットが敷かれ,舞台下手から中央に渡ってL字の土台が組まれています。その上に転落防止柵が付けられておりますが,舞台の一番下手側には土台がせり出しているところがあり,ちょっと危険な感じがします。
舞台上手には,屋上まで上がってくる階段を収納するためのコンクリートの構造物と,入り口のドアが付けられています。取っては左側,ドアの上には蛍光灯照明が付けら,照明の雨除けと思われるコンクリの庇が付けられています。そしてこの構造物の上には塔屋がおかれ,塔屋へ向かうためのタラップが掛けられています。
では,千穐楽前ですのでネタバレ防止の改行連打を致します。
2.あらすじ+序盤
劇団公式Webによれば,劇の概要は下記の通りです。
ー夕べの予報は雨だったのに、晴れたよー
天体観測部設立を熱望する、高校国語教師の田原。同僚の教師たちも田原のその熱意を不思議がっていたのだが、そんな彼に創部に向けての最初のチャンスが訪れる。
それは長らく立入禁止になっていた、校舎屋上での同僚教師たちを対象とした天体観測説明会。
決意を持って屋上に上がった田原だが、一人の教師の行動が引き金となり、説明会はとんでもない事態に発展していく!
果たして説明会の行く着く先は?そして、創部に込められた想いとは!?
お前ら全員夢叶えたのかよ? 夢叶えられなかった奴らが、偉そうに生徒に夢を持てなんて言うんじゃねえよ!!
2015年の劇団本公演の初演以来、他団体で毎年上演されてきた人気作品が劇団プロデュースで四度目の上演決定!学校の屋上は、事件の予感!?屋上を舞台に繰り広げられる、生徒…ではなく!
愛すべき教師たちによるワンシチュエーションどたばた青春物語!!
( http://theatertherockets.wixsite.com/hoshifuru/blank-3 より引用)
M0(またはキンソン)が終わって,暗転した舞台が明るくなると,男子高校生の「ヨシヲ」と女子高校生の「葵」が目の前に現れます。高校の昼休みの時間のようで,ヨシヲが流星群の話を切り出し,葵がそれに答えるやり取りが続きます。
ヨシヲがそう切り出した後,ギリシア神話も持ち出してくじら座の話が続いていきます。ヨシヲは自分の弱いところが似ている,アンドロメダを食べようとしたのではなく助けようとしたのに,退治されてしまうようなうまくいかないところが,自分に似ていると弱音を吐きます。
でもそこで葵がこう言って元気づけます。
あなたがもしホントに,そのくじらに似てるなら,いつかあなたも,誰かを助けようとするのかな?
チャイムが鳴り,物理の時間だと言って,ヨシヲと葵が屋上から出ていきます。そこへすれ違うように,入ってくるのは教頭の「深田」です。鍵束を持ちながら,屋上の様子をうかがいます。誰もいないことを確認してから,深田が思いを寄せているおそらくは恋人への告白デモンストレーションを,まあ恥ずかしさが吹っ切れて地球の裏側まで飛んでいった級の勢いで試していきます。ベテランのプロレスラーは箒相手にもプロレスができると聞いたことがありますが,まさにそのレベルでどったんばったんさあ大変。
そのまま30分1本勝負が続くかと思いきや,そこへ本編の主人公「田原」が望遠鏡を持って入ってきてしまいます。しばらく深田の様子を眺めている田原ですが,目が合ってしまい,腕立て伏せの練習をしていたんだとバレバレの嘘をつく深田に話を合わせます。田原との会話を伺う限り,この場で本日何かの会議が行われる模様。とりあえず深田は屋上から離れ,田原は望遠鏡をセッティングしていきます。セッティング終了後,慣れた感じで塔屋のタラップをあがり,「空を見上げて夕べの予報は雨だったのに,晴れたよ」と呟く田原。
そこへ同僚の影が薄い教員,鎌田が入ってきます。塔屋の田原に気づかず,望遠鏡をのぞき込んだりしていたところ,田原におどかされて異常に驚く鎌田。どうやら,この場では生徒ではなく,教員の田原から切り出して天文部を作っても良いかの会議が開かれるようです。そして次々と,屋上にやってくる教員の面々。保健体育科の「竹之内」,音楽科の「梅下」,美術科の「園田」,家庭科の「遠藤」,英語科の「小倉」,英語科の教育実習生「榎本」,世界史の「長野」,養護教諭の「東海林」,購買部の「平原」,そして最後には何故か卒業生の「松森」まで乱入してくる有様。
高校生ではなく,大人になってしまった教員が屋上で繰り広げるドタバタの大騒ぎ。勘違いとワガママと誤解の嵐が吹き荒れる中,なりたいと思ってならなかった教員ばかりが集まった屋上で,大人たちはもう一つの青春を見つめ出します。物語の結末は是非とも劇場で目撃して下さい。
3.感想
- 本当にテンポがよく90分間があっという間で,思う存分笑えるお芝居で,役者さんの熱さを思い切り感じられる素敵な作品でした。
- 主人公の田原役の方は最初は穏やかなキャラだったのに,暴れ出す他のメンバーに片っ端からモグラ叩きのようにツッコミを入れていくので,中盤から汗が滝のように流れ落ちていました。でもその状態で,高校時代の後悔を大声で吐露することで,思わずグッとくるシーンは一度では二度ではないほど熱く熱く伝わってきました。
- 楽屋ネタが全くなく,無理矢理な感じのギャグがないのもスゴいなと思いました。それぞれのキャラが立ってて、強烈すぎる個性を持っているからこそ,普通にそれらのキャラクターを野に放つだけで,ドタバタの大騒ぎになったのだと思います。
- どこを見回しても愛すべき「アホ」な方ばかりです。「誰か,お客様の中で,この人たちを黙らせる方はいらっしゃいませんかー」と田原が叫び出すんじゃないかと思うほどに,積極的に物語を引っかき回すキャラクターばかりで,仰げば尊しの伝染っぷりは,もう必見です。
- ドタバタから生まれる笑いの一つ一つが細かく作られているんだろうなと伺えるチームワークの良さがありました。終演後,堀木さんよりアドリブがほとんどないお芝居だと伺いました。その辺りもテンポの良さ、軽妙さを生んでいるように思いました。
- 何だかんだで悪人がいなくて、ちょっと不器用な善人ばかりなのも後味がスッキリする要因かなと思います。
- 笑いばかりかと思いきや,ラストでハッキリは描かれていませんが,葵は事故か何かで亡くなっているだろうと思われる箇所がありまして,実は重い話もまじっています。おそらく2回目を見ると笑いだけでは済まないところもあるのだろうなと思います。
- お誘い頂いた堀木さんはストーリーの補助的な立場が多いのですが、ムチャクチャな屋上の中で空気らしい空気を全部無視して自分の方向に引き込んでいく教育実習生を演じきってました。カーテンコールでも小倉先生役の木村俊之さんと二人でキャラを崩さず演じきっていて,お二人とも役を大切にされているのが伝わってきて嬉しくなりました。
ちょっと夏バテ気味で,元気がないところもあったのですが,本当に観に行けて良かったです。元気がでました。千穐楽までもう一度伺えないのが残念ですが,ちょっとスカッと笑って爽やかに,そして少しじんわりしたい方にはオススメできる作品です。幸せな一日でした。
【お知らせ①】
— 劇団シアターザロケッツ (@gekidan_ROCKETS) May 7, 2018
劇団シアターザロケッツプロデュース公演 vol.3「星降る学校」
脚本・演出:荒木太朗
2018年7月3日(火)〜8日(日) 全8公演@テアトルBONBON#星降る学校 公演HP:https://t.co/J9b8SCKx3Y pic.twitter.com/OUC9DQdBcm