リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】劇団ショウダウン「レインメーカー」大阪公演

どうも。イマイです。

すっかり遅くなってしまいましたが,私のイチオシ劇団,劇団ショウダウンさんのレインメーカー大阪公演に行って参りましたので,観劇ログをUPします(少し短めの予定です)。

今回の大阪公演は,本当は予定されていなかったようですが,関係者やお客さんからの後押しの声が大きく,奇跡的に実現した公演とのこと。アンサンブルが大人数になったとのことで,それならば見逃すわけにはいかないということで,大阪はなんばのトリイホールまでやってきました。

なんばは交通のアクセスが良く,地下鉄も複数の路線が発着するところなので,私はとても好きな場所です。トリイホールの前までやってくるとこの掲示が。そう。今回,日曜日については全ての公演が事前にSOLD OUTでして,当日券の販売が行われないという人気っぷり。この掲示を見てより一層心が沸き立ちました。

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今回の公演の様子や他の方の感想は出演者の中川律さんがTogetterでまとめて下さっているので,詳細はぜひそちらをご覧下さいませ。

togetter.com

なお,私の東京公演もブログも振り返るときの参考になるかと思われます。

librarius-theater.hatenablog.com

私の方は,2週間経ってから思い出したことなどを記録として残しておきたいと思います。

  • トリイホールは思ったよりもコンパクトな劇場で,6列で最後尾,左右の客席も18人程度が座れば一杯になるほどの小さなスペースでした。客席の後方にお手洗いがあります。日曜日の昼夜公演を2回観劇し,昼は2列目に座りました。その時,前との距離が結構近いので,出るのに苦労するかなーと思って,開演前のお手洗いを躊躇しかけた位(実際はちゃんと行きましたが),小さなスペースです。
  • 南大塚ホールに比べて,ぎゅっとコンパクトになった分,手を伸ばせば役者さんに触れてしまう位の距離感,大迫力で楽しむことができました。
  • 東京公演に比べて,演出が変わった箇所も多く,大阪公演の方がエリアスの脆さや子どもたちの不安感が強く出ていたように思います。個人的には大阪公演の方が洗練されていて羨ましいなあと思う一方,門を見に行く為に男性陣が村からかけだして,女性陣が「どこへ行くのー」と置いてけぼりを喰らうシーンのわかりやすさは縦方向の大阪に比べて,横方向の東京の方が分かりやすかったかなと思ったり。でもどちらが優れていて,どちらが劣っているという話でもない気がします。
  • アンサンブルの方達は,顔を出さないで仮面をつけて行動する時間が長いのですが,それぞれに個性を発揮されていて,三浦求さんの木材を担いでいるところなどは,顔が出ていないのにどなたか分かるほど,立ち居振る舞いがカッコ良くて,こういう楽しみ方もあるのかと一人盛り上がっておりました。
  • 2回目を途中まで見ている中で,ふと何の不安もなく安心して観ている自分に気がつきました。もちろんどんな舞台でも楽しんで観ているつもりなのですが,技術的なところとか細かいところを全く気にせずに(気にしないことにする事も含めて皆無でした),楽しめるという体験をしました。それくらい,全体のレベルが高い公演だったように思います。
  • 何度観ても,クライマックスのエリアスがロイネの背中を押すために語るシーンは,涙が出てきてしまいます。負け惜しみでもなく,強がりでもなく,ただ前を見て語っているはずの言葉が,みんなへのサヨナラに聞こえてしまうシーンは,既に戻ることができない子ども時代の自分の影と重ねて観てしまうせいか,グッとくるモノがあります。
  • 東京公演では,アドベンチャーゲームで言うところのNormal Endなのか,True Endなのかということを観劇ログで書きました*1。今回改めて観劇して,ますます答えが分からなくなりました。未来へ繋げるために「子どもたちを守る」,「子どもたちを育てる」という役割分担をしたところはTrue Endっぽい感じもありますし…。でもエンターテイメントとしては全員でネプチューンの意図を覆すようなどんでん返し的True Endも観てみたいし…と思う次第で。
  • こんな風に思いを巡らせられるのも,個々の役が確固たるキャラクターや背景を持っていることが大きいのかなと思います。

千穐楽終演後は,今回ロビーが狭くてお客さんと面会できなかったのでという理由から,こんな感じで舞台上の即席撮影会が開かれました。本当にこの左から右までの幅しかない小さなスペースで,セルカの物語が展開されていたのですね…。終演から2週間経っている今でもちょっとニコニコしてしまいます。

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セルカの村はどんな形であれ,あの舞台上に確かに息づいていて,あの瞬間そこに存在していました。記憶の中にしか今はありませんが,映像や台本を通じて,少しでもこの記憶を長く残しておきたい,そう思える公演でした。

おまけ:

さて,劇団ショウダウンさんは,この公演の時期のまっただ中にクラウドファンディングに挑戦するという試みを行っていました。無事,支援金額を超えたとの報告がUPされていて,応援ブログを書いていた私としてもホッとしています。

readyfor.jp

もちろん,この支援を元に魅力的な『蒼のトーテム』,『マナナン・マクリルの羅針盤』,『キメラの聖櫃』という作品が立て続けに作られていきます。1年に1回劇団ショウダウンさんの作品を観られるだけでも楽しいのに,今年は予定されているだけでも4つの演目が上演されるとのこと。今から,きちんとお金を貯めて1回でも多く観劇したいと思います。

 

*1:True Endとは、マルチエンディング形式の ゲーム などにおいて、制作者側が意図した 「真実の結末」「最終結末」 を表す言葉です。 英語の 「True」(真実) の 「End」(結末) となります。(参照元: http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok_true_end.htm