【観劇ログ】コミックリーディングライブ「マンガタリTOKYO
どうも。イマイです。
マンガは広く浅くというよりも,ハマったものを一気読みするタイプです。
関西小劇場好きを公言してそろそろ3年くらいになるのですが,一通りカバーしているとは到底言えず*1,評判になっているものでも未見のものはまだまだたくさんございます。
その1つにコミックリーディングライブ「マンガタリ」がありました。本業のお仕事的にも,マンガを役者さんが朗読するという試みは興味深いところがあるものの,関西までエイヤッと乗り込む勢いを持てないまま,公演期間が終わっているというものの1つでした。
さて,そうこうしていたらジョーカーハウスにご出演されてからTwitterでフォローさせていただいておりました浜崎(はまざき)正太郎さんのTweetで下記のお知らせが流れてきました。
ブログを更新しました。『マンガタリTOKYO vol.1』#マンガタリ #はましょー #アメブロ
— 浜崎正太郎 3月マンガタリ・ZEST (@NeckerBruecke) 2017年1月22日
https://t.co/NvPuISxuqG
えっ東京で公演があるの?ということをこの時初めて知り*2,年度末のお仕事のスケジュールを睨みつけていたら行けることが判明したので,南阿佐ヶ谷のライブハウスあさがやドラムまでやって参りました。
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という風に,今回は浜崎さんきっかけで観に来る予定を立てていました。それとは全く別ルートでお誘いを受け劇想からまわりえっちゃん「溶けて解せない」を拝見していたのですが,「溶けて解せない」の終演後に当日配布のフライヤーを見ていたら,セクシーな長官を演じていた玉一祐樹美さんも出演されるとのこと。
これは何かの縁があるなあと思いつつ,期待値を倍にして東京メトロ丸ノ内線で南阿佐ヶ谷まで移動しました。会場は,あさがやドラムというライブハウスです。ビルの地下に入り口があり,入るとすぐにドリンクカウンターとステージがあります。たまたま最前列に陣取れたので,デラワーカメラでスナップショットを一枚スマートフォンで写真を撮りました(アップロード許可は頂いております)。
舞台上にセッティングされたスタンドマイクの数々。それとともに,照明も良い感じの色合いと暗さです。これだけで,どんなことが始まるのかワクワクしてきます。
開場してすぐに,マンガタリ編集部の編集長である菱田盛之さんと, Theatre劇団子の竹中さやかさんのお二人が登場。開演前の注意事項にはだいぶ早いのに,何か開演前に別演目でもあるのか?と思いきや,「何となく間が持たなくなったから」とのことで,ステージに登場されたとのこと。
今回のマンガタリTOKYOについての話題を雑談としてしばらくお話しになった後,また楽屋の方へ戻って行かれました。緩い感じですが,内輪ウケにならないように初めての方にも配慮された雑談でした。初めての場所だけで見に来ているだけなのにちょっと緊張していたので,こういうご配慮は嬉しかったです*3。
開演8分前ほどでステージ上には,菱田さんと竹中さん,そしてマンガタリ編集部の辻渚さんが登場して,開演前の注意事項の説明を行いました。普通の注意事項のコーナーのはずなのに,辻さんがらみの場面になると,何故か笑いがこぼれる絶妙なボケ・ツッコミが展開されます。
(ご許可頂いたので,説明中の菱田さんの写真をUPします)
こんな感じで,客席が良い感じで暖まったのち,ステージ上に役者さん全員があがり,いよいよ「マンガタリTOKYO」が始まります。実際の演目はマンガタリのライブで体験して頂くこととして,一切中身には触れないこととします*4。
よって,こちらのブログでは終演後に思いついた感想を箇条書きにしてみます。
- あっと言う間に引き込まれる世界。
ステージ上には背景や小道具が置かれているわけではないので,作品の世界に入り込めないかもと思っていたのですが,照明が明るくなって役者さんがマンガのセリフを語り出した瞬間,スッと世界に入り込めていました。本業でも読み聞かせを聞く機会が結構あって,そういうときも背景や小道具なしに世界に入り込める技術を持っている方の技を目にする事があるのですが,いやはや凄いなとただただ尊敬します。 - アテレコや読み聞かせとも違う魅力。
1本目の演目でマイクスタンドがたくさん立っていて,その前で役者さんが語り出した瞬間,アニメーションのアテレコが想起されました。個人的にはそういう場面は大好きなので,これだけでテンションが上がっていました。でも,2本目から役者さんが椅子に座ってセリフを語りはじめると,アテレコや読み聞かせとはまた違った感じの魅力が出てきます。それは,セリフを語らないシーンでの役者さんの表情です。それぞれの方が物語に合わせて厳しい顔をしたり,おどけた顔をしたりするのですが,セリフがないのにそれだけで思わず笑ってしまったりしていました。 - アットホームに肩肘を張らずに楽しめる時間。
もっと敷居の高いものだったらどうしようとちょっぴり不安になっていたところがあったのですが,気がつけば2時間,まるで仲の良い友達の家に遊びに来ているかのような,居心地の良さを感じました。一見さんお断りの雰囲気が全くなかったのがとても嬉しかったです。 - 絵がない分だけ想像が広がる世界。
マンガの絵がない分だけかえって想像の余地があるというのも面白いところです。BGMと役者さんの熱がこもったセリフを聴きながら,あれこれ背景を考えるのも楽しいことです。
様々な作品を語っていくので,役者さんたちは何役も演じ分けています。浜崎さんは羨ましくなる位のまっすぐな主人公かつイケメンでした。もっとあの声でヒーロー役の声を聞いてみたいです。玉一さんはおしとやかで純粋そうな朗読があのキャラの美しさを想像させるが故に最後の落差が強調されていた気がします。
他の役者さんも魅力的な方ばかりでしたので,思い出メモをつらつら書きます。
- 主宰の菱田さんは声色から表情まで安定感たっぷりな方で,お一人で全て演じ分けたあの作品はひとときも目を離せないほどの魅力がありました。
- 竹中さんは表情の変化が豊かな方で,開始前のフランクな感じとはまた違って印象に残りました。
- Theatre劇団子の杏泉しのぶさんは台詞回しの多彩さに加えて,あの役での嫌そうな表情がツボに入りました。セリフがないのになぜか笑ってしまうというコミックリーディングライブならではの面白さに気づかせてくれました。
- 松田多久生さんの低音ボイスは,要所要所の柱になっていました。冒頭のおどけた役も大好きです。
- 辻渚さんは作品ごとの空き時間や休憩時間にみせるコメディエンヌな感じと,作品に入り込んだときの千変万化な感じのギャップが一番あった方で,そこも魅力的な方でした。
- 朗読ナイトの王賀奈緒さんは,1本目のタイトルコールを確かされていたと思うのですが,その一言だけで,それまでのフワフワした雰囲気がコミックリーディングライブの本番へと切り替わった感じがありました。あ,今日は絶対楽しいと思えた瞬間でした。
ともかく,居心地の良い空間で充実した2時間を送ることができました。演者の皆さま,音響,照明,ライブハウスのスタッフの皆さまにただただ感謝です。
今のところ,東京での第2回目公演は予定されていないとのことですが,ぜひ第2回目も拝見してみたいです。それから,大阪の方も機会があれば是非訪れてみたいなと思いました。