リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇・観覧ログ】ミジンコターボ解散公演「ほらふき王女バートリー」4月19日昼・夜+エーヨンオアビーゴ5人の演劇チラシ展


全てが安心できる故郷のような空間( http://mijinkoturbo.com/next.html )。

これまで過去2回,拝見しておりますミジンコターボさん。今回,何と解散公演との発表が( http://yaplog.jp/mijinkoturbo/archive/9885 )。そうでなくても駆けつけていたことは間違いないのですが,とにかくこれを見逃したら絶対後悔するという直感があり,今回は昼夜続けて2回拝見することにしました。ストーリーは下記の通り。

ホラが得意なおてんば王女バートリーの、ホラから飛び出た失踪事件。さあたいへん。次から次へとホラが飛び跳ねるポップファンタジー!ミジンコターボ最終章堂々上演
ところが,昨日金曜日の劇場入りの後,出演者1人が急病で運ばれる事態となったとの( http://yaplog.jp/mijinkoturbo/archive/9948 )情報が入ってきました。何と18日14時の回は急遽中止に。私も何度も舞台では意見していた役者さんで,演劇に対して本当に真摯に取り組まれている方で,自分なんかが気持ちを推し量ることが失礼かと思いますが,無念なことだったと推測いたします。まず,無事にご快復なされることを祈念申し上げます。その後,脚本・演出の片岡百萬両さんが代役となることが決定し,最初に公開されたのがこのツイート。準備時間はほとんど無いも等しい中で,この力強いツイートを拝見して,金曜日ぐったりしていた私も何だか元気をもらった気がします。さて本日,朝の新幹線で揺られながらHEP HALLへ。ちょっと早く着きすぎてしまったのですが,物販を先行して開けて下さっていて,グッズやガチャガチャ*1を物色して本番直前の出演者さんと少しお話をして,開場を待つことができました。*2

昼はほぼ最前列に着席。ネタバレ防止のため,舞台セット等の詳細は申しあげませんが,様々なところにあるモチーフがいったい何を指しているのかを想像しながら,開演時間を待っていました。キンソン*3が大音量で流れ,いよいよ舞台が始まります。ランタイムはおよそ2時間15分。ストーリーラインはそれこそ申しあげられないのですが,こんなに出てくるモノ,話される言葉1つ1つにホッと安心して,ニコニコしながら,そしてたまにホロリとしながら,観ていられる舞台は本当に久しぶりな気がしました。もちろん,照明も音響も舞台装置も衣装も全てが全て,この空間のためにある大切な条件で,全てが揃って安心できているというか。

なお,昼間の公演終わった後の感想ツイートはこんな感じでした。

そう。何かすがすがしさが凄く印象に残っていて,解散公演っぽいしめっぽさはほとんど昼の部では感じられなかったんです。何かなじみの祭りに久しぶりに混ぜてもらったら,変わらない感じで歓迎してもらったという表現が思い浮かぶような感じというか。役者さんのレベルが高くて安心するという意味ではなくて,本当にいつも楽しんでいるとおりの光景が目の前にある感じというか。

すがすがしい気持ちで近くで開催されていたエーヨンオアビーゴの演劇チラシ展「今日,この5人が横山拓也の脚本をデザインするなら」( http://a4orb5.com/ )にそのまま伺い,しばしの間拝見しておりました。

自分が関西の劇場でもらうチラシでこのチラシセンスが良いなあと思って取って置いたチラシがことごとく,今回の展覧会で出品されている5人の作品だと知って驚き,千年女優で初めて観劇したTAKE IT EASY!さんの過去公演のチラシが,見に行けなかったのが悔しいくらいクールでストーリーが思い浮かぶチラシで,その場にいらっしゃった制作の水口さんに思わず話しかけて,「TAKE IT EASY!の新作公演待ってます!」と話してしまったくらい心動かされておりました。*4 エーヨンオアビーゴは4月29日(火)までOZC GALLERYにて。本当にセンスの良いフライヤーがたくさん観られます。

さて,夜の部。昼はあれだけすがすがしさを強調していた感想が,ストーリーを予め知った上で拝見する中で,少しずつ組み変わっていくのが分かりました。
案の定,終演後のツイートも下記のように変化しています。

千年女優の冒頭の台詞「行くな,行かないでくれ!」という台詞が帰り道で思い浮かんだほど,今目の前で展開されている全てのシーンが何か愛おしく,手放しがたい空間になっていきました。アンケートでも上手くかけなかったのですが,あれほど賑やかで,楽しくて,安心できて,そしてちょっとだけホロリできる,幸せな瞬間,空間でした。昼の部以上に,終演前は瞳が潤んでいたのを覚えています。ありがとう,本当に有り難う。辛いときにも,この幸せな時間を思い出しながら頑張っていけそうな気がします。

終演後,物販で色々な役者さんに向かって「王子に来て下さって有り難うございました」と伝えることができました。王子小劇場の関係者でも何でも無いのですが,あの王子の地下で,最大限のパフォーマンスともてなしをして下さって,それ以来心のこもった案内を,遠くてたまにしかいけない私に手書きの案内を送り続けてくれた,ミジンコターボさんへ感謝の気持ちとして,その言葉が自然と口から出ていました。今度,どこかで出演されるときは時間を見つけて必ず伺えればと強く思いました。

まだ4月14日月曜日までHEP HALLで公演が行われます。近くで伺える方はぜひ一度ご観劇下さいませ。長文失礼いたしました。

*1:本当に100円玉2枚重ねて回すガチャガチャです。昼はバッチ,夜は舞台写真が当たりました。

*2:原則,30分前開場の劇団さんだと,本当に30分前まではロビーも入れないところが割とあります。

*3:関東で言うところのM-0,あるいは開演前の最終曲

*4:パンフは買ってきたので,見たい方はどうぞ>本務先の学生さん