リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ短信】SPIRAL MOON the 40th session『夜のジオラマ』

どうも。イマイです。

あとPCのキーボードをたたけるのが1時間弱しかなくて,本来は観劇ログを省略しようと思っていたのですが,予想以上に素晴らしい作品だったので,時間の許す限りMacbook Airのキーボードを高速で叩き続けたいと思います。

劇団さんから,封書でのダイレクトメールを頂くことは結構希なのですが,気合いの入っている劇団さんだとチラシを見る度にどんな作品なんだろうとわくわくしてきます。SPIRAL MOONさんもそのうちの一つで,この観劇ログでも2015年と2016年に登場しています(記録によると35thの「荒野ではない」を見ていました)。

その後,ちょうどタイミングがお目当ての劇団さんとバッティングしていたり,自分の仕事とかち合ったりしてしまって,すっかりご無沙汰だったのですが,例の劇団の休止宣言以降,ちょっとでも気になっている劇団さんは何が何でも観に行くという決意をしておりました。この木曜日の夜だけ何とかチャンスができまして,各方面にごめんなさいをしながら時間を捻出して,本日は下北沢の「劇」小劇場までやって参りました。

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 とりあえず,興奮冷めやらない終演直後の私のツイートをどうぞ。

ネタバレを回避しつつ,私が好きだなーと思ったポイントを解説します。(個条書きの3つめからネタバレするので,わざと改行を大きくしてます)

  1. まず,SPIRAL MOONさんは開場後,客席に向かうとミニトートバッグの中に折り込みフライヤーとか,アンケート,えんぴつが全て入っています。色々小劇場の団体さんを観てきましたが,オリジナルミニトートバッグで出迎えてくれる劇団さんはなかなか無く,このおもてなしがとてもとても嬉しいです。
  2. 舞台のセットも過去作の「デッサン」が一瞬思い浮かびましたが,それともまた違って,天井から大きく伸びる窓のセット,外に繁るツタ,そしてそれを照らす照明の見事さも相まって,しばらく見とれてしまうほどの美しさでした。








  3. 物語もまた重厚で,緻密に伏線が張られていて,それでいて大騒ぎするわけでもなく淡々と静かに物語の核心が明らかになっていきます。建物のオーナーの役回りは途中まで気がつかせない自然さを持ちながら,決して常人ではトレースすることの出来ない時間軸をなぞることで,登場人物の全て救われていくような,私がとても大好きな展開でした。
  4. 謎が解き明かされるサスペンス的な魅力もあれば,母の愛,子どもの愛,親友への愛などの熱さに,気がつけば涙腺が緩んでいる——そんなステキな作品でした。
  5. ノマドの役を演じていた方の声が合成音声かと紛うほどのロボット声で,そのあたりからこの作品世界にグッと引き込まれた気がしました。それくらいの力を持ったキャラクターでした。
  6. 時間をジャンプする度に,建物の契約方法もどんどん進化していって,網膜をスキャンするだけで契約できるSF要素も入っていて,そのあたりの細かさもわくわくする魅力でした。
  7. 一人で観るのがもったいないなーと思ったほど,誰かと一緒に観たらさらに胸に来るものがある作品です。何なら終演後,すぐに身内に電話をかけて「一緒に観られなかったのが残念だった」と謎の電話をかけるレベルでした。
  8. SPIRAL MOONさんは主宰の秋葉さんの丁寧さがすごく行き届いている団体さんだと思うのですが,それ以上にこの団体であればステキなものを魅せてくれるという信頼感があります。今回もその信頼感をがっちりキープしつつ,それでいてその予想を超える演劇を目撃することが出来ました。
  9. というわけで,次回作も是非予定を調整して目撃できればと次回公演の時期を今からカレンダーに書き込んだ次第です。

というわけで,そろそろPCを閉じないといけないのですが,ちゃんとログに残しておきたい位,ステキな作品だったことが伝われば嬉しいです。

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