リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】劇団晴るかす第4回公演「千夢帰海~千の夢を海に帰す~」

どうも。イマイです。

ゴールデンウイークはお仕事三昧でして、観劇はすっかりご無沙汰でした。(お誘いを複数頂いてましたが時間が合わず伺えなくてごめんなさい)

さて、そんな風にゴールデンウイークが終わるのかなと思っていたところ、音響スタッフの方から劇のお誘いをいただきました。スタッフからのお誘いは珍しいケースです。お誘いがバッティングしていて、どちらを観に行くかとひとしきり悩みつつ、珍しいケースの方に一票を入れてみました。

というわけで、本日は北池袋の新生館シアターまでやって参りました。(ちょっと予定が立て込んでいるのでショートバージョンで参ります)

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初めて訪れたシアターです。東武東上線の北池袋から歩いてすぐのビルの二階にあります。同じ階にはダンススタジオなどもあります。

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受付をすませて客席へ。三十数席の椅子が階段状に置かれており、どこからでも見やすい感じです。舞台上を見ると,セットは組まれていませんが,天井から長さの異なる白い長細い布が五枚下げられています。舞台前面の方から,ほぼ見える高さにスポットがたくさん吊られています。

流れているBGMにお客さんが「あ、これ好きなんだ」と反応しているところを楽しみつつ、スマホの電源を切っている内に開演時間となりました。

あらすじ 

物語のあらすじは下記の通りです。

女は海を眺めていた
ゆらゆらと、絶えずとどまる事のない海

太陽を浴びて、きらきらと輝く
太陽がかくれ、月がその姿を見せると
ゆらゆらは、月の光で少し自由になり、大きく海面を揺らす

ゆらゆらはトロトロになり、天空の星々の光を溶かし込む…

劇団Facebookページの投稿からの引用)

では,ネタバレ防止の改行連打をしておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開演すると,色とりどりの照明とクラシックのBGMに沿って女(梅子さん)と,翔(小座間環さん)が踊ります。舞台後方の長細い布に映える赤や青の照明と組み合わさって,非日常の空間を作り上げていきます。

踊りが終わった後,女は舞台前方でうずくまり,そこへ雅(守サファイアさん)が心配そうに近づきます。互いに自己紹介をしようとしたとき,女は自分の名前を忘れていました。何故ここにいるのか,そこへ女の脳裏にある記憶が蘇ります。嵐の航海の記憶。そこで舵を取っていた翠(すい)によく似た雅と話すうちに,3人の物語が少しずつ蘇ってきます。

泥の道からアスファルトの道へ,岩山から海へ,湾から外海へ。女の記憶は,徐々に鮮やかになっていきます。懐かしい,いや新しいと思える波の音,一緒に歩もうとした3人の顔,海を舞台にしながら,あの嵐の航海まで少しずつ物語が進んでいきます。

多数派になじめず,独自の道を歩み,まだ見ぬ島へと進もうとした3人の運命は,そして女の次に取る行動とは。その結末は劇場でご覧下さい。

感想

  • クラシックのBGMに載せた踊りやセリフ回しが特徴的でした。ダンスのシーンが随所に入ってきて,女の記憶にある言葉では語り尽くせない感情が表現されているようにも思えて,75分の長さを感じずに最後まで見ることができました。
  • 現代作品なのですが,普遍的な人間の苦闘とか夢に対する絶望とかが割とストレートに扱っていて,何か古典演劇作品を見ているかのような感覚がありました。
  • 外海へ旅立とうとして,嵐に巻き込まれるという話としても楽しめると思いましたが,それ以外にも物語自体が何かの象徴であるかのように読み込むことができる作品のように思いました。例えばアスファルトの道は制約条件の多い学校教育の始まりと見なすこともできますし,湾から外海へと少しずつ航海を重ねて遠出をし,10回目の航海で外海へ行こうとする辺りはアマチュアからプロになろうとしてもがく姿とも見ることができるかと思います。
  • 小座間さんの動きのキレがとても良くて,舞台のあちこちを駆け回る姿に気がついたら見とれていました。
  • 梅子さんと守さんのセリフの掛け合いも,物語の後半に行くにつれてヒートアップしてきて,こちらも気がついたらすっかりと引き込まれていました。
  • 照明の光と影が,舞台後方の布ととても上手くマッチしていて,終盤の影が踊る姿とか見所がたくさんありました。

というわけで,予定外ではあったのですが,また新しい作品に出会うことができました。お誘い頂きまして感謝感謝です。

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