リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】演劇ユニットMR2「ペンレンジャー」

どうも。イマイです。

日曜日から数えても全く違う3演目を全てお誘いで(チケット代はちゃんと払って)拝見しております。お誘い頂けると言うことは大変に有り難いことです。というわけで,本日は社会人劇団の劇団かえる団長,秋山聡治さんのお誘いを頂きまして,一ヶ月ぶりに新横浜のスペース・オルタまでやって参りました。

2017年に活動を開始,公演ごとに社会人を中心にメンバーを集め,集まったメンバーと0から「舞台」を創り上げていくユニット

というフライヤーに説明が記載されている演劇ユニットMR2さんの公演,「ペンレンジャー」を拝見いたします。

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1.開演前

スペース・オルタの公演も2回目ということで,劇場の椅子の座りやすさはいつも通りです。開場後,客席の前方に座って,舞台上を見ると次のようなセットが組まれています。

  • 舞台中央に大きなスチール机1つ
  • 机の周りにはミーティングイスが3つ
  • 机の上には内線電話が1つ
  • 舞台後方には木で組まれた棚。真四角な棚が5つ組み合わさっています。

BGMには30代後半の私が割と世代ストライクな感じのBGMが流れていて,思わず天を仰いでしまいました。当日パンフは演出と代表の方の手書きのメッセージが書かれていて,ホッコリしてきます。

開演10分前,代表の方と演出の方の前説が始まりました。演出の植松さんは割と暴走気味のリアクションで,私は思わず笑ってしまいました。

さて,千穐楽前ですのでネタバレ防止の改行連打をしておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.あらすじと物語

当日パンフに書かれていたあらすじを引用します。

冴えない,ダサい,モテない。文房具メーカーに入社して5年目の中村かれん。

ついに今年は新規部署に異動が決まり主任に昇格!恋人もできて幸せいっぱい!?

ところがこれは裏で仕組まれた異動だとは気づかず,新規部署のメンバー,使えない同期と口うるさい保険会社から転職してきた女に囲まれながら明日のコンペに向けて準備を進めるが…!?

文房具に込めた思いが,時を超えて,あなたに届きます。

「あの時,あなたに会えたから,今の私がいる。」

 物語は上記のあらすじ通り,明日が社内コンペという時期に第三企画室という新規部署に主人公の中村かれんが異動するところから始まります。そしてその異動を祝福し,心からサポートすると元気づけていたのが柳原譲部長。第二企画室の上司である村上莉菜子主任を見返そうと意気込む中,会社内には3階の倉庫に新入社員の桐生裕美が迷い込んできます。

謎の清掃人(実は社長)と軽く言い合いをした後,桐生は廊下でオフィスラブをしようとしていた柳原と村上に出くわします。その場を取り繕う二人に特に疑問を持たないまま,桐生は無事第三企画室へ。その第三企画室では,個人机もパソコンもない状態で,果たして仕事ができるのかという状況。中村の他には,桐生,そして口下手すぎてノートに書いた文字を読み上げた方がずっとスムーズに会話できる斎藤大輔の3人のみ。明日に迫ったコンペではまさかの斎藤がプレゼンター役に指名されて…。

もしコンペで最悪の結果を出したら,会社を追い出される勢いでの圧力が待っている,この3人はどのようにして明日のコンペを乗り切れるのか,そうこうしている間に斎藤と中村の間には,二人しか知らない交換日記の過去があって…。

この物語の結末は是非劇場で。最後のプレゼンシーンはかっこよさげです。

3.感想

  • キャラクター同士が嘘をつかない正直者なので,キャラクター同士の容赦ないツッコミとか,オフィスラブ系の描写が普通に登場してきますが,全員その辺りはドライかつコメディ方面に扱うので,ドロドロしたところはなくスッキリとみることが出来ます。
  • 足の引っ張り合いもちょいちょいあるのですが,最終的には大岡裁きかつ悪役が懲らしめられるようになっているのでこちらも一件落着として楽しめます。
  • 物語の根底には優しさが流れていてハートウォーミングな舞台だと思います。
  • 初日特有のトラブルや緊張感がありましたが,特に気にならない感じでした。(キャストの皆さんがやたら村上さん好きなのは思わず笑ってしまいましたが。)
  • 細かいところですが,会社内での名札にはちゃんと個々人の名前が明記されていたのが嬉しかったです。
  • 斎藤大輔役のマサさん。朴訥ながら,かれんの為に一途に思いを伝えようとする辺り,特にラストシーンのプレゼンテーションでの語りかけは心動かされる者がありました。
  • 中村かれん役の永田里奈さん。試行錯誤してうまくいかないヒロインを体現しているような雰囲気を持った方でした。
  • 桐生裕美役の澄。さん。変わり者だらけのあの世界で,一番ニュートラル,かつ観客の思った疑問点(ツッコミどころ)を遠慮なく出して下さった方です。カーテンコール時の高速ツッコミを始め,機敏な反応は見ていてとても魅力的で,スカッとする箇所が数多くありました。 
  • 柳原譲役の秋山聡治さん。主人公を陥れようとするヒール役。プロレスにおけるヒールレスラーは性格が良くて配慮ができる人でないとできないと言われますが,まさにザ・悪役でした。声も通る方で,窮地に追い詰められたときのダメ方面への機転の利かせ方など見所たっぷりです。
  • 村上莉菜子役の植松真理子さん。出てきた瞬間,主人公のザ・ライバルのような立ち居振る舞いを持った方でした。割と高圧的な役どころながらも,「クルリン」と擬音をつけてターンする辺り,コメディ方面の要素もあって興味深く拝見しておりました。
  • ??役の中山信之さん。実は社長。一番美味しい役どころかも。自由奔放に笑いを入れてきていました。ただちゃんとラストシーンでは,出来る社長として,そして,それまでの悪事を大岡裁きがごとくやっつけていくお代官さまとしてカッコイイところを持って行っています。悪役の柳原をクビといわず,片付けておいてという所に優しい世界を感じます。

というわけで,取り急ぎ思いついた感想を書いてみました。お誘い頂いた秋山さんには感謝です。

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