リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】劇団GAIA_crew10周年記念作品「空の彼方の、ちいさなヒカリ」

どうも。イマイです。

この世で一番得難いのは,お金でも健康でもなくやる気ではないかと最近考える次第です。

1.まえがき

さて,本日は初めての劇団を観に来ました。劇団ショウダウンの「撃鉄の子守唄」でご出演の加東岳史さん,大西真央さんが所属されている劇団GAIA_crewです。撃鉄の子守唄でお見かけしたメンバーの舞台をそのまま見に行って幸せな思いをしているので,今回もワクワクしています。

そして,今回の公演では,今回は劇団ショウダウンの林遊眠さん,そして声優の園崎未恵さん*1も客演されるとのことで,これは行かない理由を探す方が難しいと思い,気がついたらチケット予約をしておりました。

というわけで,晴天の日差しに照らされながら,池袋はシアターグリーンBOX in BOX THEATERへとやって参りました。

f:id:librarius_I:20170623214316j:plain

(トップページからご覧の方は「続きを読む」リンクをクリックしてください)

2.開演前まで

開場時間10分前に到着すると,既に劇場前には15名ほどの列ができていました。この劇場はエレベーターで5階に上がってその降り口そばで受付するケースが多いかと思うのですが,今回はエレベーター通路あたりに受付が設定され,事前チケット購入されている方も必ず受付を通るようになっています。

とてもクールなやり方だと思いました。この結果,開場後にエレベーターで上がった後は,もぎり作業だけをすれば良いのでエレベーター前も混雑しませんし。初めての劇団さんなのですが,こういう所の細かい配慮まで行き届いているところが嬉しい感じです。

さて,エレベーターで5階に上がり,もぎりを済ませてロビーを見渡してみると,こんなボードが。

f:id:librarius_I:20170623215027j:plain

10周年記念ということもあって,お祭りムード満点で気分が盛り上がってきます。キャストさんのメッセージや裏方さんのメッセージを眺めながら,チームで作り上げている劇団さんなのだと言うことが伝わってきます。

それから,ボードの上にはフラッグがはためいています。私は上手く撮影できなかったので,キャストさんのTweetを引用いたします。

 この中で触れられているように,この舞台はクラウドファンディングで資金調達にチャレンジして見事,目標金額の50万を遙かに超える175万8千円を集めることに成功しています。この資金で音響システムのグレードアップを行えたとのこと。こういう情報も観劇前のテンションを上げてくれる要素になっています。

camp-fire.jp

そんな風にしてひとりで勝手に盛り上がりながら,BGMに戦場での剣がぶつかり合う音が流れる中で開演を待っておりました。剣の音が強くなり,照明が暗くなって物語が始まります。

3.あらすじ

今回の物語はあの有名なジャンヌダルクを巡る物語です。ただし,ただのジャンヌではなく,現在と過去が入り乱れるファンタジー世界となっています。あらすじは下記の通りです。

主人公・卓馬は美大生。1浪後苦労して入学した学校もなんだかサボりがち、美術の道に進むにしても踏ん切りがつかない彼は将来に対して明るい希望が見えなかった。 鬱屈としていたある日、自宅で眠ると彼は見たことのない世界に飛んでいた。それは1428年のフランス・ドンレミ村。神の声を聞いたことのあるという少女、ジャンヌ・ダルクの前に現れた卓馬はジャンヌと、彼女を見守っているというドンレミ村の大樹の精霊にしか見えない存在だった。

驚き戸惑うジャンヌに対して卓馬はあることを思いつく。それは歴史の授業で学んだ知識で「お前はフランスを救う神に選ばれた聖女なのだ」と啓示を与えること。卓馬を神と信じたジャンヌは快進撃を続ける。少しずつ彼女に惹かれる卓馬。

現実では学園祭の季節、実行委員は忙しく準備をし、卒業に向けて動くものたちも居るが呆けてしまう卓馬。ジャンヌはこの先魔女裁判にあい火あぶりになるのだ。それをどうすれば止められる?考え続ける卓馬を同級生たちは心配するが…?果たして卓馬はジャンヌを救い出せるのか?

(公式Webサイト http://www.gaiacrew.com/ より引用)

では千穐楽前ですので,ネタバレ防止の改行連打を行いたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.本編

物語の始まりは,オルレアンでの闘いから始まります。戦闘の真っ只中,ジャンヌが前へ出ようと旗をルイスから受け取ります。そしてこの物語の主人公,藤井卓馬がスポットに照らされて,この時代がいつであったか,そして何が起こっているかを語り始めます。緊迫する戦況の中,ジャンヌがとった選択肢はもちろん「前へ」。そして卓馬はこう言います。「俺が夢の中で出会った少女」「そして俺が好きになった人」と。

あらすじにもあるように,この物語は美大生である卓馬を中心に,現代の美大のシーンと,1429年のフランスが切り替わりながら進行していきます。キーになるのは,卓馬が眠りにつくこと。眠っている夢の中で過去へと移動し,そして目覚めることで現在へとまた戻ってくるようになっています。

冒頭の合戦のシーンが終わり,次のシーンでは美大生の大学生活が描かれていきます。川村真理奈,日向夏海,富山敬子,進藤美和,飯塚佳代といった学生同士のやりとりをした後,卓馬と真理奈が二人になり,教員の対馬から卓馬が指導されているシーンへと移ります。ほのぼのとしながらも,ここが美大だということを印象づけてくれる丁寧な描写が続いていきます。

そしてそうした美大の日常が描かれた後,卓馬は自宅で眠りにつきます。突然,見たこともない場所へと飛ばされ,そこで出会ったのは,ドンレミ村の大樹の精霊です。卓馬が精霊に対して,ここがどこなのかとやりとりしている間に村人のルイス・コントが登場してきます。しかしルイスは卓馬と精霊のことを認識できません。声も姿も見えていないのです。

しかし精霊が言うにはこの村には精霊の言うことが分かる人間がいるのだそうです。その人間こそ,ジャンヌ・ダルクその人でありました。自己紹介をしながら,夢の中であることを認識し,まともに取り合うのもバカバカしいと卓馬は考えます。そして相手がジャンヌだと知るやいなや,「フランスを救うのは君なんだ」と口にしてしまいます。「あなたは神なのですか?」との問いかけに卓馬は「そうです!私が神です!」と冗談半分に投げかけてしまいます。

精霊から「自分の口から出た言葉には責任を持てよ?お前が何者だろうとな」と警告される卓馬。そうするうちに,目が覚め,また美大へと戻っていきます。城ヶ崎という13浪をして美大に入学してきた個性の強いキャラクターが加わります。そして物語の進行とともに,西洋史を専攻していた図書館司書の重松芙史香も登場し,魅力的な人物達が繰り広げるキャンパスライフが描かれていきます。

この物語はもちろんジャンヌ・ダルクを巡る物語でもありますが,美大の中で,それぞれの学生がそれぞれに悩み,お互いを思い,そしてぶつかり合いながらもまとまっていく等身大の人間の物語でもあります。大学生活というのは様々な舞台の中でもよく見る一般的な設定ではあり,もちろん描かれ方の濃淡はあるのですが,それぞれのキャラクターがなぜそのように考えるのか,そしてどうお互いのことを考えているのかが,脚本だけでなく役者さんの熱演も相まって,この作品ではこの大学生活がとても生き生きと丁寧に描かれている印象を持ちました。

さて,フランスのシーンもヴォークルールへと移り,次々に新しいキャラクターが登場してきます。ここから先の物語は省略しますが,アランソン公ジャン2世,ラ・イール,ジル・ド・レ,ジャン・ポトン・ラ・ザントライユ,シャルル7世,ヨランド・タラゴン,ジョルジュ・ドゥ・トレモイユ,ピエール・コーション,ジョン・タルボット,ウイリアム・グラスデール,サフォーク公ウイリアムと多くの登場人物が出てきます。しかし,登場人物の多さにもかかわらず,物販で購入したパンフレットを眺めると,この役はこんな役だったなと克明に思い出せるほどに,それぞれのキャラクターは個性的な役ばかりでした。

おそらく自分はSFとかファンタジーものがもともと好きなのですが, キャラの一つ一つの輪郭がしっかりしていて,ひとりひとりがとても魅力的なキャラクターになっていました。LINEスタンプで見返してもこのキャラそういえばこんな感じだったなと 思い出せるくらいなのです(←スタンプも勢いで買ってしまいました。

ジャンヌダルクというある種,よく知られたストーリーで必ず最後は悲劇にならざるを得ない結末を迎えるわけですが, 芸大の学生が神の声になるというロジックによって,その人間くささとか等身大の感じがより強調されていた気がします。 当然,物語の筋は見えているので,何でもないセリフのやりとりが,心にぐさぐさ刺さってきて,中盤くらいから涙が ボロボロこぼれてきてしまいました。

音響も立体的な感じが出るようにと,沢山のスピーカーシステムを導入されたとのこと。左右の広がりとか音の前後間とか 上手く言葉にはできませんが,とにかく一つ一つの音の迫力がものすごいと感じた次第です。

ヒカリと光をかけるわけではありませんが,照明もとても綺麗でした。クライマックスのジャンヌが火あぶりになる寸前に スポットがジャンヌにあたったあたりは,その一瞬だけで心を持って行かれそうなくらい見事なシーンだったと思います。

真っ直ぐに見つめるというジャンヌのキーワードにそって,物語の主人公はひたすら真っ直ぐなのですが, フランスの騎士や将軍たち,王族たちはそれと対照的に,しがらみを相応に抱えています。また主人公たちの葛藤とかぶつけたい感情もきちんと整理され余すことなく提示され,ご都合主義でないまとめ方をされていて,ラストも納得の展開でした。

5.キャストさんひとこと紹介

寝る時間とも相談する時間帯になり,早く投稿しなければ明日がツライ時間になって参りました。これを書き始めたときには,個々のキャストさんの紹介まで書くのは難しいかなと思っていたのですが,勢いがついているので,一言だけでも書いておきたいと思います。

  1. ジャンヌ・ダルク役の日高望さん。主人公で前へというイメージを体現されていましたが,最後の錯乱するシーンは等身大のジャンヌが垣間見えてグッとくるシーンでした。ラストの「駄目だよ,もう起きなきゃ」というセリフは,文字を打ち込んでいるだけなのに涙ぐんでくるレベルです。
  2. 藤井卓馬役の馬場秀幸さん。パンフレットのコメントにもあるように卓馬には私も共感するところがあります。ギャーギャー言わずに前へ踏み出せば良いのに,なかなか踏み出せないところとか。「雨が向こうにも降れば良いのに」のセリフはボロボロ泣いてしまいました。
  3. 精霊役の林遊眠さん。最初から最後まで八面六臂の大活躍でした。LARPsのランプと同じように世界に介入できないもどかしさはあるのですが,こちらの精霊は達観している感じがあってまた違う役だなと思います。パンフレットでは男でも女でもない役だということが書かれていて,そういえばどちらとも取れる印象のお芝居をされていたなーと思い出している次第です。
  4. ジョルジュ・ド・ラ・トレモイユ役の野水伊織さん。一言で言えば悪役なのですが,冷徹ながらも結局は時代に振り回された悲しい役だと思いました*2。割と良心とか正義に基づいて行動するキャラクターの多い物語の中で,思わず憎らしいと感情移入するほどきちんと悪に徹されていたのが印象的です。
  5. 川村真理奈役の大西真央さん。一見すると優等生タイプのキャラクターながら,中盤で卓馬からジャンヌのことを相談されたあたりのキャラの変容っぷりには爆笑とともに凄い役者さんだなーと見ほれていた次第です。結局二人は幼なじみのままだったんでしょうかね…。上手くいっていて欲しいなと物語の余白に思いをよせてみます。
  6. 日向夏美役の杉山ひろこさん。いやあカッコ良い姐さんでした。カッコ良いしムードメーカーだし,ほとんど弱みもみせないサバサバした役が印象的でした。その分,最後の実家に相談してもう1年大学に残れるかということを遠慮がちに言ったところが記憶に残っていて,全部承知した上で,それでも若さ故の悩んでいるのかなと思ったりしていました。
  7. アランソン公ジャン2世役のゲッツさん。プレイボーイ役ながら,田舎娘のジャンヌを守ってあげないとと考えるフランス軍指揮官チームの一人。最後に家族のことを案じて,部下を送らせたというセリフに象徴されるように,遊び人ながら誠実な人間というキャラクターが的確に表現されていたと思いました。
  8. ジャン・ポン・ザントライユ役の土性正照さん。コイン投げで全ての運命を決めるフランス軍指揮官チームの一人。コイン投げの一連の流れが渋くてとにかくカッコ良いのです。初めて裏側が出た終盤のシーン,淡々とそれでも驚愕しているところは見所です。
  9. 対馬旁役の望月英さん。美大の教員役。分野は違いますが,同業者としてあんなフレンドリーかつ厳しく言うところはキチンという先生がいたら学生さんは幸せだろうなと思います。年の離れた学生さんにどう接して良いか分からないと言うところも含めて「ですよねー」と心の中で何度も繰り返していました。カッコいい先生です。
  10. 城ヶ崎寿三郎役の長尾一広さん。パンフレットを見て,思わず良かったね!と思ったキャラクターでした*3。ただでさえ個性的な美大のキャラクターの中で,絵に対する情熱や愛が一見すると空回りしながらも,周りを巻き込んでいる様子は思わずほほえましくなってしまいました。13浪しても学生は学生ですし,キャンパスライフは輝いているのですよ(何
  11. ヨランド・ダラゴン役の園崎未恵さん。舞台で拝見するのは実はサクラ大戦レビュウショウ第三弾以来だったのですが,見事な存在感でトレモイユをも上回る敏腕さと,冷徹さを表現されていました。楽しそうに演じている掃除のおばちゃん役とのギャップももの凄く,ますます注目したい方です。そういえば,ヨランドの冷徹さはトレモイユとはまた異なっていて,最後にシャルル7世に「見ておきなさい」とジャンヌの最期を見るように促すあたりは,帝王学的な冷徹さなのかなと思いました。
  12. ジル・ド・レ役の大嶋伸治さん。この作品の中で,一番哀れで悲しい役だなと思います。トレモイユの野望を達成するために自分の感情を押し殺していて,危険を伴うジャンヌの監視役を引き受けながら,フランス軍指揮官チームの度量の深さに魅了され,最後にはヨランドへとしたジャンヌ救出の約束を反故にされるという始末。でも最後の狂気の前に,ジャンヌ親衛隊のひとりとして生き生きと躍動していたのはほんの少しの救いだったのかも知れません。
  13. 重松芙史香役の秋山えりかさん。中盤からの登場でしたが,百年戦争について詳しいという背景をフルに活かしてあっという間に印象に残る役になっていました。ジャンヌを救うために何ができるかという,卓馬の問いかけに「戦場に出なければよかったんじゃないかな」とあっけなく答えていますが,同業者としては「ですよねー」と(以下略 /というか歴史をifで語ろうとするのは難しいのです…。
  14. 富山敬子役のあさみほとりさん。物販パンフレットを見て,初舞台だったんですかと驚いた次第です。序盤の才能を見せつけて,良い出来なのに気に入らないからボツにするというあたりや,終盤に卓馬の才能に惚れているとセリフを畳みかけていくシーンの2つがきちんと提示されていることで,富山という役が天才型なのに周りのこともちゃんと気遣っている様子が強調されていたように思います。
  15. シャルル7世役の三橋亮太さん。フランス王国王太子。傀儡的な存在であることを自覚しているのを投影するように,淡々とした台詞回しながら,終盤になるにつれて濃淡が現れ,前を向くようになっていくこの物語で主人公とともに成長した人間のひとりです。「私が,誰とも目を合わせて話さなかったのだ」というセリフは,役のセリフではあるのですが,私イマイの胸にぐさっと刺さりこむセリフでした。
  16. ラ・イール役の後藤大輔さん。粗暴な役ながら,ジャンヌに一回惚れ込んだ後はジャンヌと同じく真っ直ぐ前を見ている役です。粗暴とパンフレットにあるのですが,私はそれ以上に優しさとか温かさのようなものが他のキャラよりも強く伝わってきた気がします。あの世界もこちらも悩みすぎると真っ直ぐ優しさをだせないのかもしれませんね。
  17. 飯塚佳代役の藤咲めぐみさん。バイト掛け持ちという設定(?)が災いしてか,割とおとなしめの登場なのですが,後から物販の台本をきちんと見返してみると,ボソッと言った一言のセリフがことごとく核心を突いているので,あの世界では一番先を見通しているのかもしれません。(例:「天然なのかなあ…」「みんな興味津々じゃないですか」)
  18. 進藤美和役の馬木百風さん。真理奈の後輩として,真理奈の行く末を心配する役ですが,やはり見所は終盤のシーンでして,卓馬に向かって真理奈先輩のことをどう考えているのかと詰め寄ってまくし立てた後,卓馬が交通事故に遭うというシーンです。台本を見返したらそんなシーンはなかったので,気のせいかも知れないのですが,現実世界で卓馬を前へと進めようとするきっかけの一つになった重要かつ印象的なシーンだったと思います。
  19. ピエール・コーション役の沙汰青豆さん。終盤の異端者裁判の裁判官という本役とともに,サブ役で美大の用務員として物語にアクセントを加えています。コーション役の仰々しく,かつ不遜に裁判を進める様は意地悪さがすぐに感じ取れる感じで,物語としては当然存在しなければいけないシーンではあるのですが,その後のジャンヌが不安を吐露するのに十分な嫌悪感を舞台上に残していったと思います。
  20. ルイス・コント役の草梛祐史さん。一番ジャンヌを身近に見ながら,幼なじみが故に思いを最後の最後まで伝えられなかったいじらしい役です。でも巻き込まれながらも,楽しそうにジャンヌと共に戦っていく様子を見る限り,実はそれが一番幸せだったのかも知れません。素朴かつ透明な存在ですが,いざいなくなるとかなり大きかった存在だと分かる立ち居振る舞いでした。
  21. ジョン・タルボット役の加東岳史さん。ご本人もパンフレットに書かれていますが,本当に強いキャラでオルレアンのあのワンシーンだけで退場するのがもったいないカッコいいライバルキャラでした。他の2人がただ都市防衛を考えているのに対して,タルボットだけがその先を見据えた幅広い考え方を持っている点は,ライバルキャラを際立たせているように感じました。
  22. サフォーク公ウィリアム役の玖道満さん。オルレアン防衛隊の生真面目担当。長期にわたる戦争のむなしさも理解しつつ,それを止めることは武将1人では難しいことも分かっていて,どうにもならない中間管理職的な辛さを抱えていますが,物語の上ではクールで渋い武将として登場してくるので,敵キャラとしておくのがもったいないカッコいい役でもあります。
  23. ウィリアム・グラスデール役の伊勢参さん。オルレアン防衛隊の武力担当。冷徹な軍人ながら,タルボットの敵を討つべくルイスを手にかけるあたりはパンフレットにも書かれている「情け」「人」の部分なのだなと思いました。そういえば,ジャンヌ自身も手にかけようとしたくらい,タルボットをグラスデールは尊敬していたのでしょうね。殺陣裁きは流石の方です。

 

気がついたらひと言どころではない方もいらっしゃったり,キャストの演技について触れてないじゃんとのツッコミがある箇所もあるかもしれませんが,とにかく面白かったーということが早く伝わるように,見てきたその日に全部書き上げてみました。

千穐楽を含めて,何と全公演YouTube Liveで生配信(アーカイブなし)してくださるとのことで,劇場は遠いよーという方でも是非一度観ていただければと思います。

6.あとがき

劇団ショウダウンさんのつながりで初めてGAIA_crewさんの公演を拝見しましたが、これだけ凄い人たちが、こんなに面白いことをやっているのだと、演劇の世界の広さを再認識した次第です。これ以上お気に入り劇団増やしてどうするのと言う気持ちもありますが,また新しく気になる劇団さんが増えたことはとても幸せなことだと思いました。

www.gaiacrew.com

*1:実はかつてサクラ大戦紐育星組レビュウショウにハマっておりました…。地上の戦士は今でもカラオケの持ち歌です。

*2:ちょうどパンフレットにもそのようにコメントされていましたね…。

*3:その記述はパンフレットを買ってからご覧ください。