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リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】劇団ショウダウン林遊眠一人芝居「ウインドミルバレー最後の三日間」

どうも。イマイです。

観劇趣味をしていて一番幸せなのは,この瞬間に立ち会えたことが良かったと実感する時です。観に行くどの舞台も愛おしいのは本当なのですが,今日はまさにこの趣味をやっていて良かったと強く実感しました。今日は,あんな神々しいまでに美しくて,煌びやかで,存在感がある場面に立ち会えました。それも眼前で。

こんな誰が読んでいるか分からないブログですが,多くの方に伝えたいし,記録しておきたい,今日はその気持ちをさらに強くして書き始めます。もし,まだ公演期間内でこのブログを見かけた方は,ライブでその魅力を体験してみてください。文句なし掛け値なしに観劇初心者の方にもオススメできます。

さて,ここからはいつも通りに観劇ログを進めます。今日もやってきたのは,池袋シアターグリーンBASE THEATERです。昨日に引き続き,劇団ショウダウンさんの公演です。昨日と違うのは,今日は林遊眠さんの一人芝居「ウインドミルバレー最後の三日間」が上演される回なのです。

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劇場前でお出迎えする看板は昨日と同じなので,今日は劇場正面からの写真をお届けします。

(トップページからご覧の方は,「続きを読む」ボタンをクリックしてください)

主演,助演,エキストラ,ストーリーテラーの全てを受け持つ林遊眠さんは昨晩,池袋に到着し,今日の初日を迎えました。前回の「千年のセピラ」を見逃していたので,目の前で一人芝居として拝見するのは「マナナン・マクリルの羅針盤」以来となります。

今回は終演後に写真撮影可+ネット掲載可能とのことでしたので,イメージしやすいように舞台写真をアップしています。昨日の「黒船」から比べると,足場の所に細かく雑草が生えています。よく目をこらして観て見ると,紙で作られているのに雑草を持ってきたかのようなリアルさでした。すごい。

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 劇場に入ると,昨日と同じ制作の皆様とともに,今日は「黒船」休演日ともあって,キャスト皆さんが受付や場内誘導を担当されていました。昨日買い求めた劇団ショウダウンTシャツを着用していったのですが,「着てくださっているのですね」と声をかけてくださって,ちょっと嬉しかったです。こういう所が劇団ショウダウンさんの居心地がよい要因なのだと思います。

さて,千穐楽はまだ先なので,ネタバレ防止として改行連打のおまじないをかけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウインドミルバレー最後の三日間の舞台は,アシュガルド。初演時は「リストニアの魔道書」という作品と二本立ての同時上映でした*1。今回の「黒船」とも対になる物語です。あらすじは下記の通り。

西方教会歴627年、 北の山脈にある小さな集落 「ウインドミルバレー」は、史実から消滅する。

住む場所を追われ、 その存在すら伝説と言われ、 魔物の潜むと言われる山中に住む400人の蛮族たち。 大国の進軍の最中、 蹴散らされるだけの存在だったはずの彼らは、 一人の指導者を得て、 やがて闘いの道を選択する。

降伏か、全滅か、 抗うことのできぬ豪雪の山中を舞台に、 史実に記されることすら許されぬ壮絶な戦闘の幕が上がる。 女神に出会った男は大国を裏切り、 そして羊の群れを率いる獅子となる。

 壮大な歴史ファンタジーです。冒頭で,軍師ベルは調査隊を率いてウインドミルバレーに向かいますが,このベルが所属する帝国はあの聖骸を追い求めた帝国です。覇権を拡大しようとする,勢いに乗った国家です。

ベルの調査隊は,道中道に迷い,そこで出会った少女に導かれるようにして北の山脈にある小さな集落「ウインドミルバレー」に到達します。侵略,進軍の先鞭をつけることを目的としていた調査隊は,ウインドミルバレーの民のもてなしに,いつしか集落に溶け込んでいき,一週間という時間をそこで過ごすことになります。

皇帝に抵抗の危険無しと報告を行うベルに対して,皇帝は侵略し砦を築くことを命じます。「黒船」で大義のための聖骸を求めるほど,その兵力の膨大さとは対照的な余裕のなさを感じる皇帝。それは権力を有したことからの傲慢さから生まれるものなのか,飽くなき権力への欲望なのか,それとも冷酷無比だからこそここまでの権力を有することができたのかは計り知ることはできませんが,2つの物語を掛け合わせたとき,そのどこか危うい行動が垣間見えてきます。

冬になる前に,皇軍を果たすために1ヶ月の準備に入る騎士団。そのような中,ベルは衝動的にウインドミルバレーを目指します。望まぬ追っ手とともにウインドミルバレーに到着したベル。追っ手が侵略を果たそうとした瞬間,反旗を翻しベルはわずか400名で2万人の帝国軍に闘いを挑むことを決意します。

準備は2ヶ月,ただし圧倒的な兵力の差があるゆえ,戦えるのはわずか3日間。この3日間でベルが取った行動とは…。詳細は,劇場で目撃していただければと思います。

このブログでも何度も登場しているので,説明は不要かと思いますが,劇団ショウダウンさんの魅力の一つは作・演出のナツメクニオさんが豊富な語彙から繰り出す緻密なストーリーです。そしてその魅力を強力に増幅するのは,結成直後からのメンバーである林遊眠さんであります。

千穐楽前に少しでも宣伝になればと思って慌てて書いていますので,まだ書き足りないことがあります(終演後補足するつもりです)が,今のところ伝えたい魅力は下記の通りです。

  • 祭りシーン,それまでト書きと台詞をひたすら語り続けた場面が並ぶ中で,この祭りのシーンでは突如,台詞はなくなり,マイムで場面が展開されます。そのコントラストがなんとも良いのです。
  • 舞台で目撃したから気づけたのかもしれませんが,登場直後の林遊眠さんにあたる照明が時に顔を隠して,時に顔を照らしていました。おそらくこれは偶然ではなく,計算されたプランだと思います。この美しさに私は見とれてしまいました。
  • 色とりどりの照明が舞台を彩る中,要所要所で白い照明2つのみを前方から照らしたり,後方から同じく白い照明2つのみで林遊眠さんを照らしている様は,これもそのまま切り出して持ち歩きたいくらいの美しさを感じました。
  • 「その剣は何のために使うの?」という台詞とそのシーンは,思わず感情を高ぶらせずにはいられない名シーンだと思います。
  • DVDやBlu-rayで販売されている前回公演と比べると,声のトーンが太く,低くなっていることで,物語の厚みが増しているような印象を受けました。バージョンアップを常に図っているのだと感じます。

とりあえず,速報的に書いてみましたが,まだまだ語りたいことはあります。後日補足したいと思いますので,これをご覧の方はまだ席がある内に,劇場へとどうぞ。

*1:このことを知ったときには無茶だ,すげえと思いました…。