リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】宝塚歌劇花組公演 『For the people —リンカーン 自由を求めた男—』

どうも。イマイです。

先月に引き続き,宝塚歌劇を観に行くことができました。

今日は宝塚歌劇団花組公演『For the people —リンカーン 自由を求めた男—』,専科の轟悠さんが主演の演目です。

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場所はKAAT神奈川芸術劇場,名前は何度も伺っているのですが,初めての劇場です。

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KAAT神奈川芸術劇場は,初めて伺う劇場です。どんな感じの客席かなと思っていたのですが,座席はほどよい堅さ*1でかつ前方と割と傾斜が付いているので,後ろ側の席でも見やすい良い劇場さんです。

施設概要|KAAT 神奈川芸術劇場

では,ネタバレ防止のためのおまじないの改行を連打したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語のあらすじは公式Webにも掲載されているとおり,アメリカ第16代大統領,エイブラハム・リンカーンです。

“アメリカにおける最も偉大な大統領”としてその名を残す、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン。そのフロンティア・スピリットと誇り高い理想は、今なお多くのアメリカ人の胸に強く刻まれている。
奴隷制度の廃止を訴えたリンカーンの政策は、国を二分する南北戦争へと向かわせることになるが、彼の強い信念はアメリカを一つにするところにあった。理想とする国家を実現するまでの、彼の波乱に満ちた生涯をドラマティックに描くミュージカル作品。

"government of the people, by the people, for the people"のフレーズで有名過ぎるほどの,あの口ひげをたくわえた大統領「リンカーン」を描く物語です。

開演後,目の前に現れるのは,最初は左右,扇形に広がる階段と薄暗い赤色の照明,そして黒人の紛争をしたスターさん達です。虐げられる奴隷の様子がミュージカルのナンバーに載せて描かれていきます。そう,これはミュージカルです。

ナンバーが終わり,その奴隷達を颯爽と救うべく現れたのが,この舞台の主人公であるエイブラハム・リンカーン,弁護士として彼は黒人の使用人の弁護にあたります。証拠不十分によって無罪判決を勝ち取る中,彼が確信していたのは,一つ一つの裁判ではなく,奴隷制を変えなければ同じ事が何度も繰り返されると言うことでした。

そこから連邦議会の政治家をめざし,やがては大統領にまで上り詰める一人の政治家の,政治家としての葛藤や周囲に支えられる姿が描かれていきます。

冒頭で登場した階段は,あるときは広場,あるときはホワイトハウス,あるときは丘になり,わずか2つかと思いきや,多いときは4つに分割されてそれぞれのシーンを描き出しいます。舞台セットとしてはこの階段とホワイトハウスのシーンで出てくる紗幕と,ゲティスバーグの丘を表すスクリーン程度のシンプルな舞台装置なのですが,スターさん達の熱演や演出の素晴らしさもあって,それだけで一つの世界が成立していました。

この階段は最後,大きな1つの階段となり,赤い幕を一つ飛びに敷いて,星条旗を描きます。このシーンはとてもカッコイイのでこれから観る方は注目していただければ幸いです。

それ以外にも,全てのシーンが素晴らしいのですが,北軍の闘いを描くシーンを特筆しておきたいと思います。,このシーンはダンスと歌で展開されていきます。ダンスの見方はよく分かっていない素人ですが,それでも見事なダンスのキレと,見事さに圧倒されまして,さすが宝塚のスターさんだと,思わず私は顔をほころばせていました。

今回,コメディ要素は皆無なのですが,それでもリンカーンの真っ直ぐさが前面に出された舞台,そして数々の魅力的なナンバーに引き込まれ,2時間半集中が切れることなく,迫力に引き込まれるとはこんな感じではと思える,充実の舞台でした。

誘って頂いた方に感謝しつつ,またこうした世界を目撃できればと思いながら,帰途につくのでありました。

kageki.hankyu.co.jp

 

 

*1:13:00開演から15:30までの終演でおしりも痛くならない良い感じです。