リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【観劇ログ】DIRECT LINE PROJECT 第一回プレミアム公演 「DEAD 1 SCHOOL」

ども。イマイです。

個人的に大きな仕事を抱えていて,10月に1回も観劇できていなかったので,今週末は2日間で3本のお芝居をはしごすることにいたしました。他のお誘いとか,仕事とか頭をよぎりかけましたが,なかったことに致しましょう(駄

さて,観劇はしごの1本目はDIRECT LINE PROJECTさんの第一回プレミアム公演 「DEAD  1 SCHOOL」です。

 劇場は京王線八幡山の駅から歩いて30秒のワーサルシアターさん。実は八幡山の駅で降りたのは初めてかも。薬局の地下にある劇場ですが,コンパクトで良い感じの小劇場でした。京王線沿線で勤務するようになって早3年でありますが,まだまだ沿線には面白い劇場がたくさんです。

さて,今回のお誘いも大学の教え子さんである片田友香梨さんのご紹介であります。彼女からは何年かぶりに高校生になりますとのメッセージを頂きお誘いを頂きました。彼女の高校時代は別に知る立場にはなかったので,別に高校時代と違うやんというツッコミが出来る保証はないのですが,ちょうど良い感じでスケジュールが確保できましたし,久しぶりに彼女の演技を観て見たいという気持ちで八幡山にやってきました。

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ということで,恒例のネタバレ防止用改行を入れますので,各自対応よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台のストーリーは公式Webから引用します。

桐生学園演劇部部員の守、翔吾、道康の3人は、来月行われる演劇祭の準備に追われていた。そこで行われる舞台のキャスティングが難航する中、守のアイディアでテニス部のイケメン隆之をスカウトし、演劇祭に向かっての稽古が始まる。
ある日、謎の転校生初音が現れ、奇怪な出来事が次々と起き始め・・・。

http://ariespro.jp/dead1.html

セットは机と椅子だけのほぼ素組み。演じるスペースも人が3人並ぶと後ろの幕まで到達するレベルのシンプルな舞台です。

開演してすぐに感じたのは,本当にポテンシャルの凄い役者さんがたくさん出演されていると言うことでした。

冒頭で登場する翔吾役の杉浦友哉さん,道康役の橋本雄大さん,守役の岩男匡哲さんの3人は,まだ手探りな状況で緊張感が漂う物語の序盤を,大胆に打ち壊していくエネルギーの詰まったパフォーマンスをされていました。一つのシーンを生き生きと感じられたのは,役者さん達の熱演があってのことだと思います。特に工藤守という役で登場する岩男さんは,声のバランスから身体表現を含めて,大変魅力的で変幻自在であり,次のシーンが待ち遠しくなるレベルで,楽しませて頂きました。

それ以外にも,脇を固める役者さんも素晴らしく,謎の転校生とか,それを固める生徒会副会長と書記,転校生を追っかけてくる男子生徒とか,男の先生に恋愛感情を抱かれる女の先生とか,終演後にハッキリと思い出せるくらい,それぞれの役が個性的かつ魅力的でした。

特に男の先生*1役の方は,道化役のように見えて,狂気を帯びた人格が見え隠れしていて,終盤は思わず憎悪の気持ちを抱きましたし,女学生3人は一瞬アンサンブルのように見えて,一人一人が個性的で,特に当初のヒロイン役の方は,思う存分好き勝手できるように見えて,大変難しい役どころなのでしょうが,良い感じで最後まで美味しいところを持っていった感じで楽しかったです。

物語の間には,ちょくちょく非日常的な笑いが挿入されていますが,失敗するとただのおふざけになる危険性の高いシーンでも,全ての役者さんがきちんと成立させ,かつ楽しいシーンを構築されていました。跳んだりはねたり,声色を絶妙に変えてみたり,普通に言ったら話している方が吹き出してしまうような台詞を何気なく,言い切っていく。役者さんってやっぱり凄いと思います。

さて,今回お目当て(?)で拝見した片田さんですが,声の通りが低音でとても良く,彼女には心配なんか必要ないんだとすぐに分かって物語の方へ集中することが出来ました。途中,物語の都合上,台詞がないところもあるのですが,冷徹な仕草などは凄みがあって,また違った魅力があるのだなと感じました。

和物で拝見した前回に比べ,激しいダンスも各所で入ってくるのですが,こんなこともできるんだーと一人の観客としてただただ楽しんでいる次第でした。彼女の魅力は,立ち居振る舞いから見える品の良さ*2だと思うのですが,この舞台でもそれは存分に発揮されていたと思います。

さて,今回はBキャストの方を拝見できないのですが,配役表を拝見していたところ,私が注目しているジョーカーハウスで「おもろい枠」もとい,重要な役を演じられている佐藤真美さん改め,水沢まな美さんがBキャストで登場します。たぶん,あの身体的特徴を弄られる台本であれば,間違いなく最初に出てくるヒロイン役の方に割り当てられていると思います。役どころとしては,抑え込みながら何かを表現すると言うよりも,思う存分発散していくタイプの役どころでかなり美味しい役だと思います。ジョーカーハウスファンの方も注目の作品です(何

【観劇ログ】ジョーカーハウス「不思議の国のアリス」 - リブラリウスと趣味の記録 

というわけで,また色々な発見のあった観劇はしご1本目でした。

*1:あー役名一覧が欲しいです…

*2:背筋がピッと伸びているのです。