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リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

【鑑賞ログ】サードプレイス「TAMARUKA! Vol. 2」

 「今度,これに出るんで是非来てください!」

先週と同じパターンのようですが,こちらの方が遙かに先客でして,返事する前に*1,CoRichで予約をかけていました。時間が空いていて,教え子が出て,しかも誘われているとくれば,まあ断る理由はないのです。

サードプレイス「TAMARUKA!」とは,役者の卵である男女6名が,この公演のために研鑽を積み,お客さんの前で成果を披露するという俳優育成企画です。


サードプレイス俳優育成企画TAMARUKA!|サードプレイス

前回は,ちょうど予定が合わず来られませんでしたが,今回は空いていたので,本人に返事せずに予約するといった行動に出た次第です*2

渋谷のシアターD。渋谷駅のハチ公前からNHKの方へ公園通りを歩いて行くと,途中で現れる建物の4階にありました。劇場の中は,舞台近くに座るクッション席と,パイプ椅子で50席くらい。6時40分過ぎについた頃には,もうほとんどの席が埋まっていました。

今回の公演の内容は,リーディクション,プレゼンテーション,詩の朗読の3つ。 リーディクションとは朗読をベースにしながら,音響や役者のアクション,小ネタを投入して演じるというもの。宮沢賢治の「注文の多い料理店」を題材に,ラジオショッピングや,緊急ニュースが入るという,盛りだくさんのおもしろ構成で進んでいきました。

プレゼンテーションは2分間の時間制限の中で,あらかじめ与えられたテーマ「友達」について,どれだけ魅力的なプレゼンテーションができるかを試されるというもの。役者のパフォーマンスは観客に配られたアンケート用紙によって採点され,最下位は罰ゲームというもの*3

朗読は出演者全員で,小ネタなしで詩の朗読を行う真剣勝負。

これらのプログラムの前後には,社長さんを交えたフリートークが展開され,今回から初めて来たお客さんにも,それぞれの役者さんがどのようなバックグラウンドを持っているかが丁寧に,かつ軽妙なトークで披露されていきます。

 

さて,教え子さんのこと。私は,第一声を聞いた瞬間「あぁ・・・元気な声が出るじゃん」と,ただただ驚きました。 授業の時,何回か指名したのですが,PC室のファンの音にかき消えそうな声で応答していた記憶が強く残っています。もちろん,そこまで私から距離があったことも要因ではありますが,こんなに元気な大きい声は初めて聞いたはずです。それがきっかけとなって,色々なことが思い出されていきます。もちろん舞台には集中したままで。

教え子さんには確か,2年生と4年生の時に非常勤講師として授業を教えています。

教え子さんはいつも教室の上手側の後方に座っていました。積極的に一番前に座るというタイプではなく,後ろから数えた方が良いくらいの位置。でも,大きな声ではなくても,こちらの質問には的確に答えていたことが多かったです。こちらの見立てはまじめで冷静タイプという感じ,ただし,だいぶ後ろに座っていたので,こっそり内職していたかどうかまでは確認していません*4

2年生の定期試験の時でした。次々に他の学生さんが試験を終えて途中退出する中,最後まで残って問題を解いていました。自分の出来に納得できないところがあったらしい,と試験が終わってからの会話でわかりました。実際にはそんな心配はいらないくらいの良い出来だったんですが。

あるとき,役者を目指すという話を伺いました。Twitterで悩んでいるのを何度か拝見していました。もちろん,大学の非常勤講師という立場ですから,積極的に励ますのも気が引けてしまって,でも彼女の書き込みを見つけるたびに,「頑張れ頑張れ」と思い続けていました。

今日,こんなに元気に,道化役だって積極的に引き受けていく姿を見ながら,良かったなあという気持ちと,頑張っているんだなあという嬉しさでいっぱいになりました。そして,もっと前にぐいぐい出ればいいのにと,まるで家族にでもなったかのような感覚で,応援している自分がいました。

教え子さんのプレゼンテーションは,今日の役者さんの中で,一番良かったと思います。お客さんを笑わせる話でもなく,破天荒な話でもないのだけれど,自分の背丈にあった,でもみんな頷ける話を展開していて,SEに声がかき消されることもない,素晴らしいプレゼンテーションでした*5

今のあなたは,私に出来ないことをしている,それだけで私は本当に嬉しかったです。夢を掴もうとするその手をどこまで伸ばし続けてほしい,そしてその世界で,3年後も,5年後も,10年後も生き残っていてほしい,最後は教え子ということを忘れて,他のお客さんと同じように,役者の卵を見る目で応援していました。

 

そうそう,紹介するのを忘れていました。教え子さんの名前は,片田友香梨さんと言います。


片田友香梨|アーティスト|サードプレイス

彼女は一つ一つ自分の夢を叶えるための歩みを続けています。 他の5人が男性の中で,そしてチームに参加したのが最後と言うこともあって,まだまだ遠慮しているところがあるのかもしれないですが,もっと彼女の活躍を私は見てみたいと強く思います。私に出来ないことをどんどん実現して,見せつけてください。彼女が持っているものは,まだまだ伸びていくと確信しています。

教え子が成長する姿を見続けられる,こんな幸せな場を用意してくださったことに深く感謝申し上げます。

彼女とはたった半年間ずつ,合計2コマの授業を受け持っただけのつながりで,そして今の彼女にとって役に立つことは何も教えられなかったダメ教員です。そんなダメ教員が何を言っても説得力がないと思いますが,サードプレイスの皆様,観客の皆様,どうぞ片田さんのことをよろしくお願いします。

ほとんど私信みたいなBlogになってしまいました。でもこんなものもたまにはご容赦ください。それくらい嬉しかったんです。私にとっては。

*1:今気づいたけれど,返事してなかった。ごめん。

*2:というか,返事せずに本当にごめんなさい。そりゃ終演後に会って驚かれるのも無理ないわ・・・。

*3:結果はサードプレイスのFacebookで公開されるとのこと。

*4:こらこら。

*5:最初,もしかしたら意図的に最下位を狙っておいしい目にありつこうとしているのかな?と疑ってしまった私を許してください。