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リブラリウスと趣味の記録

観劇とかパフォーマンスとかの鑑賞記録を淡々と。本務の仕事とか研究にご興味ある方は本家ブログまで( http://librarius.hatenablog.com/ )

演劇と自分との関わりかた。

ども。リブラリウスです。定期的にやってくる演劇ブーム,とりあえず1年以上続いているので,本物っぽいです。
でも定期的に来る「発作」がやってきたので,チラシの裏級の,いや明らかに「チラシの裏」に相当する記事を書きます。書けばすっきりすると思うので。

周囲の方にはことあるごとに喋っているかと思いますが,中学時代,高校のはじめと演劇部でしたので,板の上の魔力はほんのちょっとでも知っているつもりです。その後は自分の我が儘で演劇部を辞めてしまって*1,その時の引っかかりがいろいろ気になってしまって,舞台に立つのを辞めてしまいました。

大学時代もいろいろな事情で,一瞬だけ人形劇のユニットに参加させてもらえたことはあるのですが,結局遠ざかってしまっていて,憧れだけが強まるばかりで,大学院に入って研究を始めてからもそれがやむことはありませんでした。表向きは研究をやっていて,他の人の仕事とかほいほい引き受けている裏でこんな事を考えているのですから,始末が悪いですね,本当に*2

博士課程の入試を受けた時に感触が最悪だったこともあって,受験の次の日ぐらいから自分は落ちたと思い込んで,憧れを現実にしないと後悔すると思っていました。博士課程に入って,明日から授業が始まるという前日に,身近な人に「演劇をやりたいんだ」って言ったあたりが一番酷かったですね。「ここまで決断できないお前に何ができる」「お前に一番向いてない」と言われて,頭を強く殴られたような衝撃が走って,一旦おさまりましたけど。

その後いろいろ仕事を任せてもらえたこともあって,また非常勤講師を始めたことで自分の無知に気づけたことで,大学院生活はようやく研究者らしいコースを進み始めるのですが,演劇とはまだ微妙な引っかかりがあって,上手くつきあえないでいました。その間も身内や親類に誘われて演劇とか観に行っているんですけれど,全部単発で終わってましたね。観れば分かったような口調で批評する嫌な奴でした。

厳しいことを言えば,この頃は頭でっかち,いや頭でっかちにもなれない憧れだけで動いている存在だったのでしょう。演技術や訓練を積むこともなく,また何か見識を広めることもなく,そして実際の舞台を観てボランティアでも良いから関わろうとすることもなく。マイナスの感情を経験すると言うことだけはできていたかも知れませんが。

転機が訪れたのが,2009年4月辺りにニコニコ動画をきっかけに,「平沢進」といういわゆる「師匠」に出会った辺りでしょうか。それまで凝り固まっていたパフォーマンスとかの概念が,片っ端から破壊されていってこれもアリなんだと思うことが次から次へやってきました。あれほど,会場に足を運ぶことに消極的だった人間が,気がついたらライブ会場まで足を運ぶようになっていたのです。

大学院で学んでいることもプラスにはたらきました。今でもちゃんと追いつけてはいませんが,哲学の基本的な思考の仕方とか,問題をとらえるときの視点とかは,単に目先の表現された演技とか目に見えるモノだけを見ていた私には,まるで初めてメガネをかけたときのような驚きと共に,見える範囲を広げてくれる材料になりました。

Twitterというツールが自分のそばで動いていたことも大きかったと思います。なぜなら「平沢進」という繋がりでフォローしていた人を経由して,舞台版「千年女優」を知ることができたのですから。

今改めて考えてみると,私は憧れだけの存在から,気がつかない間に足りない道具を揃えていて,ほんのちょっとだけ関わりが持てる存在へ歩き出せていたのでした。気がつけば,自分1人でお芝居を観に行くことは普通になっていました。14年ぐらい引きずっていた重い荷物がやっと下ろせました。

今でも時々,舞台写真を見ると,板の上に立ちたくなる衝動に駆られます。以前の私ならまた憧れで悩む日が続いたことでしょう。でも,1つ成長したことがあります。以前と違って,上手いこと自分の仕事と折り合いをつけて処理できるようになりました。諦めたというわけではないです。何せ非常勤講師の1つ1つの授業は,見方を変えれば自分が主演の舞台みたいなものです。自分がストーリーを覚えて他人に語ると言う所はそっくりですし,役者だけでは成り立たず観客がいて初めて成立するという所もとてもよく似ています。どこで何が幸いするか分かりません。

もう1つ成長したことがあります。小劇場を見るようになってから,本当にいろいろなタイプの舞台があることも分かりました。分からないことがたくさんあることも分かりました。分からないことがあったとき,ちょっと悔しくなったりすることもありますが,今は観るもの全てが楽しいのです。なので,最近の観劇記録を見てもらえば分かるとおり,分かったような批評,特にダメ出しのようなものはスパッと止めています。だって,ダメ出しできるほど分かっていないのですもの。

というわけで,前置きが長くなりましたが,たぶんこのブログで観劇の記録を書くときには基本良いところを書くだけになると思います。ダメ出しを期待されている方は別の感想ブログへどうぞ。

そんなことを言うためだけに長い文章を書いてみました。でも良いじゃないですか。最初に申し上げたとおり,こちらは趣味の記録なのですから,これぐらいチラ裏したって。というわけでおしまい。

追伸:そんな機会が訪れるとは思いませんが,もちろん何かのきっかけで板の上に立てることがあったら,素直にはしゃがせてもらいますよ。その程度の健全な憧れは持ち続けたいと思いますです。

*1:あのときは自分の未熟で多くの人を振り回してしまいました。いろいろ封印していたのですが,本当に自分がアフォだったと思います。言い訳できるような立場ではないです…。

*2:自分で言うか。